かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

相次ぐ山岳遭難報道と野沢温泉トレランの対応

2021-05-06 11:11:34 | 日記

寒冷前線が通過したGW、槍ヶ岳、尾瀬、朝日連峰、谷川岳と遭難死亡・行方不明事故の報道が相次いだ。共通するのは、悪天候時のホワイトアウトによる道迷いとコースアウトによる滑落、低体温症などのようだ。

昨日は、南アルプス南部の笊ヶ岳(ざるがたけ2629.4m)に日帰りで登った単独行の男性と家族との連絡が途絶えているとの報。笊ヶ岳は、オイラの未踏で憧れの山であるが、南アルプス南部は、歩く人が少ないので、ただでさえ道が荒れているのに、近年の台風などによる倒木やのり面崩壊などが相まって、さらに登山道が荒れているみたいだ。

先月2日に、南ア深南部の大無間山(だいむげんざん2329.6m)に向かって行方不明になった男性の捜索は12日に捜索が打ち切られている。大無間山は、日本200名山にリストアップされていて登りたい人も多かろうが、最新の昭文社「山と高原地図」には、メインルートだった尾根が崩壊していることから、「p1~小無間山間崩壊のため大無間山、小無間山に登るの一般ルートはない」との注意書きが印されている。笊ヶ岳や大無間山のこうした山道事情に加えて、今の季節、残雪が登山道を隠していると思われ、相当のルートファンディング能力も必要となろう。ふたりに何があったか。

道迷いであれ、滑落であれ、行方不明になり遭難者が見つからないということは、家族や関係者にとってほんとにつらいことだろう。最近は、GPS機能を持ったスマホを持って歩くようになり、連絡ができなくても電波さえ通じれば居場所を特定する技術があると思われるが、バッテリー切れや、谷底に落ちた場合などむつかしいと思われる。

こんなとき、かすかな電波でも上空のヘリの受信機に2か月間は反応するという「ココヘリ」をもって歩いていれば、助かるケースや不幸にして命を落としても仏さまだけは見つけてもらえるかもしれないとつくづく思う。

道迷い行方不明事案としては、2018年7月に発生した野沢温泉トレイルランでの選手の道迷い事故が思い出される。オイラ自身が、2016,17年と参加していたレースであるので、ことの顛末を鮮明に覚えているが、結局、大会主催者の最終報告をみても、当時62歳の男性は見つからなかったようで、南アルプスのような高所かつ広大で、深山幽谷としたエリアでもないだろうに、なんとも不思議な事件で残念である。

この大会、コロナ禍で昨年は中止したが、今年は、以前と同じように7月に開催するようだ。その開催要項を見たら、選手全員に「ココヘリ」を貸与するのだという。オイラのようにすでに「ココヘリ」会員となっている者は大会費から1000円差し引くのだという。道迷い行方不明事故の反省を込めて、徹底した改善を図ったものとみられ大いに評価したいし、今後他のトレラン大会などにも普及していくことを願うばかりである。

これで大会参加者は安心だろうが、そもそも参加する者は、道迷いをしないようなルートファインディングや地図読み能力向上に努め、迷った時の冷静な対応を念頭に置いて大会に臨むべきだろう。山においては、まず「自助」だ。

老婆心ながら、野沢温泉トレランもこの7月に行われるのだが、コロナの影響は大丈夫なのだろうか。大会要領のどこを読んでも、「コロナの感染状況によっては中止することがあります。」とか、富士登山競争のように「緊急事態宣言地域等からの参加を禁止します。」とかの記載は一切ない。

昨今の変異株は、昨年の「三密」はもはや通用せず、屋外でのランナー同士の接近という「一密」でも感染リスクがあるとされている。野沢温泉だけではなく、あらゆるトレラン、マラソン主催者は、このような事情を念頭に、参加者や開催地域住民の安全第一をモットーに大会を運営してもらいたいな。

オイラ個人的には、日本国民の大半がワクチンを打ち終わって、変異種にも対抗できる状況が確認されるまでのあいだは、屋外であっても多数の参加を募る大会開催は「無理ではないか」と思っている。よくて、再来年あたり、ということになろうか。

そんなときまで、山ですれ違っても、「こんにちわ~」ではなく、あごマスクを正して、「黙礼!」。

 

The4100D マウンテントレイル in 野沢温泉装備

ココヘリ

 

          

2017野沢温泉トレランのゴール地点でいただいた野沢菜漬けのおにぎりと浅漬けの味が忘れられないのだ。涙が出るほどうまかったので、スマホで写した写真はボケているが、思い出様に。

 

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