あんまりの晴れ予報だったため、南面白山の頂上で真っ白な月山や蔵王の姿を眺めたいと、一番列車に乗って面白山高原駅へ。駅から1000mを超える北面白山にも南面白山にもすぐに登れるこの辺では大事な駅なのだが、駅に降りたのはオイラだけ。今年は、雪が多いため平日はまだ一般登山者は足を向けないのだろう。
それにしても、数年前に営業を止めた面白山スキー場の廃れぶりはさみしい。錆びたスキーリフトはそのまますべて放置され、スキースクールやロッジは大雪や地震や台風のせいなのだろうか、崩れ、吹き飛んだ建物の一部が、そのまま公道に放置され、誰も撤去しようとせず見苦しい。所有者も行政もなんという無責任なのだろう。どこも撤去費用がないのだろう。スキー場の廃れ具合は、ここ、面白山だけの話ではないのだろう。宮城に限っても知りうる限り、鳴子の花渕山、南蔵王の白石スキー場など今は人影はない。これが全国だとどうなんだろう。ブナ林などを皆伐してスキー場を開発した事業者、それを認めた行政が、営業を止める際には原状回復、せめて構造物や施設の撤去と植林などとそれらを保証する積立金などを義務付けなかったのは痛恨の極みだ。
そんなスキー場の滑走面跡に、薄紫と純白のキンポウゲ科キクザキイチゲ(菊咲一花)が隣り合って咲いていた。ユキワリソウの見られない宮城・山形県境では、大好きなキンポウゲの仲間。スキー場の去った後、ゆっくりと仲間を増やしていってほしいと願う。
今日の登山装備は、簡易アイゼンとストック一本。スキー場やその上の急な雪の壁を昇るのは困難と判断し、早々と南面白山の登頂をあきらめ、雪解けのスキー場後に顔を出したフキノトウをいただくために歩き回った。南面白山、八本爪アイゼンとピッケルで来週にでもリベンジしたい。春の山を甘く見ていた。
フキノトウをいっぱい収穫して、昼過ぎには家に戻り、天ぷら用・ピクルス用はまだ花が葉に覆われたもの、花が現れて少し苦みが増したものは「バッケ味噌」用に仕分けし、調理に勤しむ。
YouTubeで教わったとおり、天ぷらにはマヨネーズと炭酸水で小麦粉を溶かしたら、これまでになくパリッと仕上がった。いつものちくわ天と「塩」と「天つゆ」でいただき、もう今シーズン「フキノトウはいいや」というほど食べすぎる。
あとは、「バッケ味噌」と「バッケピクルス」の保存食で、もう少しだけ早春のおみやげををいただいていこう。
まだ花の出ないフキノトウを厳選。
パリッと揚がった、フキノトウとちくわの天ぷら。天ぷらのコツつかめてきたぞ。