青葉山の稜線に甲高い美しいさえずり。「ヒーリ ピーリ リリリ」。目を凝らすと目の前の枝にオオルリ君(♂)の青い姿が。しきりに鳴いていて、こだまするように谷あいから別の個体種の鳴き声が聞こえる。
その鳴き声方向に向かって、しばらくすると目の前のオオルリ君が飛び去って行った。
帰って、かろうじて3枚だけシャッターを押せた画像を見てみると、今日のオオルリ君は険しい顔。いわば戦闘モード。野鳥にも表情があることが分かる。
専門家ではないので想像の域を出ないが、青葉の森に南から渡って来たオオルリさま御一行は、これから相手を見つけカップルとなり、子供を授かり、秋までにはまた南の国に旅する。
いまは、やっと南の国から到着した時分にすぎないが、♂の青い鳥君は忙しい。まず、ライバルとなる♂同士で縄張り争い、それぞれのテリトリーを確保する必要がある。
それで、今日出会って写真に納まってくれた彼は、ライバルに「ここはオイラのなわばりだよ~ん、はいってくるなょ~」と、同じ♂同士で境界争いをしていたものと想像する。それで、こんなけわしい表情をしていたわけだ。
一昨年出会った5月末のオオルリ君♂表情はこんなではなく、甘いやさしい顔立ちだった。あのときは、愛のさえずりだったのだろう。近くの♀さんを呼び寄せる恋のアリアだったか。
でも、険しい顔立ちのオオルリ君でも、今日会えてよかったよ。そして、恋の瞳のオオルリ君にまた会える日を願って、しばらくは青葉の森通いが続きそうだ。
彼がやさしいカンバセになるころに、ウクライナに平和が戻りますように!