かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

下山後の醤油ラーメン

2022-06-15 18:35:27 | 日記

この月曜日の南蔵王縦走は、スタートの地蔵岳駅からゴールの長老湖公民館まで、時間に追われて、ほぼ8時間歩き通しで、途中水分補給とクリームパン1個、塩キャラメル1個、ラムネ数個を口にしただけだったので、七ヶ宿のバス停となっているファミマとCOOP併合店に着いた頃には、腹が空いてしょうがなかった。

ザックの中には、わざわざガスカートリッジとクッカーに大きめのカップ麺を忍ばせていて、山上で景色を見ながらたしなもうと思っていたのに、そんな余裕はなかった。

まずビールだな、と七ヶ宿のファミマに入るとちょっとした食堂並みの広いイートインがあり、白石行きの最終バスが出るまで30分ほどの時間があったので、そのスペースでバス待ちをしながらビールといっしょになにか腹につっこもうと小ぎれいな広い店内をまわった。

うーん、やっぱり下山後はラーメンだ。それも普段愛好している激辛麵のたぐいではなく、疲れた体には普通の醤油ラーメンだ。」ということで、マルちゃんの大きな正麺を手にした。あわせて、レジ前に30円引きと標示されていたゆでトウキビが目に付いたので、これも購入し、マルちゃんのカップ麺の待ち時間5分の間に、本キリン500mで喉を潤しながら、甘いトウキビをむさぼりはじめた。カップ麺が出来上がると、おおむねビール→ラーメン→トウキビ→ラーメン醤油スープ→ラーメン→トウキビ→ビールという手順でいただき、次第に腹が満たされていくのをおぼえた。ショウユがつかれた内臓にやさしい。

 

    

 

どうして、下山後は醤油ラーメンに嗜好がいくのか。考えてみれば、この40年近く、下山後に口にするのは8割方ショウユだった気がする。それも、街で食べるなら、いわゆるどこの食堂にでもありそうな、あの寅さんがすすっていたような一番価格帯の安い普通のショウユ味がいいのだ。どうしてだろう。

理由は、どうやら遠い青森時代(いまから35年くらいまえ)にあるようだ。青森の4年間、登山シーズンは毎週のように山に出かけていたが、山岳会のTさんの自家用車で日帰りできる近郊の山行く機会が多かった。1日の山を終えて、そのTさんと帰路につく途中、きまってドライブインのような食堂に立ち寄って、ビールはもちろんないが、翌週の山の話などをして、醤油味のラーメンをいただいて帰った。器のスープを一滴の残らずらず飲み干すと空腹が満たされ1日の疲労が消え去る心地がした。

そんなことがあったので、下山=醤油ラーメンという体質になっているのかもしれない。そんな遠い日のことを懐かしく思い出しながら、オイラは大きなカップ麺のスープと500mの本麒麟を一滴も残さず飲み干して、空き缶などをコンビニのゴミ箱に分別投入し、外でもう待っていた七ヶ宿公営バス最終便に飛び乗った。

大の山好きだったTさんは、まだ40代だったろうに、その後数年して脳卒中のため登山を断念された。さぞかし残念な思いだったろう。いまは、音信不通となっている。Tさんの代わりに、元気なうちにせっせと山に通い、下山後はショウユを続けよう。

 

 

 

 

 

 

コメント

22年以上の時を経た南蔵王縦走

2022-06-14 19:13:18 | 日記

この土曜日、雨のため、またもや山形蔵王古道の歩みを断念したが、予約していた蔵王温泉のいつもの宿に宿泊し、次の日、22年以上の時を経て南蔵王の山々を歩いた。そして、記憶にしたがうと南蔵王の一方通行による縦走は地元の山でありながら初めてではなかったか。

オイラは2001年春に沖縄勤務のために車を処分し、その後内地に戻ってからも車を所有していないし、レンタカーを借りてまで南蔵王に行こうという気にもならなかった。その辺を推し量ると少なくとも西暦2000年以降は、南蔵王(刈田峠~不忘山)の山々には足を踏み入れていないことになる。

2000年以前の車で山に出かけていた時代、七ヶ宿の硯石キャンプ場や白石スキー場を起点として不忘山や水引入道は何度か歩いたし、刈田岳山頂直下の刈田峠に車を止めて芝草平に花の撮影に出かけたりしていたが、遠くても屏風岳を往復するぐらいであったか。それでも、近隣の山域としては南蔵王に足繁く通った方だろうが、マイカーの弊害か一方通行的な縦走は未経験であった。

そして、今回の南蔵王縦走だが、蔵王温泉から標高1700ほどの地蔵岳にロープウェイで一気に上がれば楽ちんに歩けるだろうという計画が少し甘かった。大いに反省したい。

地図上の標準タイムは、地蔵岳から不忘山のふもと硯石まで7時間30分、そこから七ヶ宿公営バスのバス停「長老湖東」まで30分。あわせて、標準タイム8時間、17時のゴールとなるのだが、その最終バス時刻が17時02分であったので、標準タイム以下で歩かないと間に合わない。

50代ころのオイラには「へのカッパ」であったろうが、加齢とトレーニング不足による体力低下に加え、右肩にカメラ、左手に双眼鏡という「ウォッチングスタイル」では、花や鳥に出くわすたびに足を止めるのであり、標準タイムでの踏破にブレーキをもたらす要因となる。

案の定、最終山頂の不忘山の三角点をなでたのは、14時45分、標準タイムでバス停まであと2時間半だから最終バスには間に合わない状況となっていた。

ここから、靴ひもをきつく締めなおし、無我夢中で下った。森林限界まで、火山性のザレ道でスピードが一向に上がらなかったが、エゾハルゼミの合唱する森に入り、傾斜が緩くなる場所では、数年前までのトレランで行ったような小走りとなったが、耳に「コルリ」、「クロジ」、「クロツグミ」や名を知らぬ鳥の声が入るや足を止めて耳を澄ます癖が出てしまった。(ヒッチハイクで七ヶ宿に行こうか内心覚悟した)

それでも久しぶりの本気度のおかげで、「公民館」というバス停には、なんとか数分前に辿り着いて無事に帰ることができた。

忙しく歩いたせいで、出会ったお花、野鳥、チョウを満足に観察することができなかった。不忘山北面の稜線はもうハクサンイチゲをはじめとするお花畑が広がっていたし、屏風の尾根には、アズマシャクナゲの濃いピンクがあちこち花をほころばせていた。

初夏の稜線歩き、蔵王山域で南蔵王がいちばん快適で美しい花たちに出会えるエリアなのだろう。月曜日にかかわらず大勢の登山者と出会った。大半が曜日を気にすることのない高齢者だが、ほとんどが刈田峠から不忘山を往復するマイカー派なのであろう。

気がついたら、この20数年で南蔵王のふもとや山上の環境も変化した。

まず、アクセスのためのバス路線、白石駅から硯石や白石スキー場の路線が廃止された。赤字のミヤコーバスが撤退したのだろう。そのかわり、バス停まで少し歩かねばならないが白石市民バスや七ヶ宿公営バスが走るるようになっていた。あくまで過疎集落の住民サービスであろうが、部外者も安価に利用できるのはありがたい。七ヶ宿公営バス、長老湖から七ヶ宿町内まで所要時間35分で200円、七ヶ宿町内から白石駅まで所要時間45分で200円、乗客はオイラだけだった。もう申し訳なくて、今度乗るのが憚られる次第。

硯石にあったキャンプ場が2004年に廃止されていた。家族が最後にキャンプをした思い出の場所。

刈田岳南面などの宮城県側もアオモリトドマツの立ち枯れが目立った。

芝草平が、植生保護のためロープが張られ立ち入り禁止となっていた。

登山道が侵食し、悪路となっている箇所があったと思うが、階段などで整備され歩きやすくなっていた。

などなど、隔世の感があり諸行無常というほかないが、何度もそこに立った不忘山山頂は当時の面影のままだったのは幸いせあった。(数分しかいられなかったが)

アクセスも悪く、年齢とウォッチング癖を考えると、もう今回のようないそがしい縦走を行うことはあるまい。また、不忘山や水引入道の周回というのもアクセスやキャンプ地がなくなった現状では困難だろう。

すると、南蔵王・・・歩く機会はなかなかやってこないかも・・・・少しさみしい。

 

   

        立ち枯れのアオモリトドマツの向こうに南蔵王のたおやかな稜線

 

   

          アズマシャクナゲ匂う屏風岳の稜線

 

   

            孤高の姿をみせる不忘山

 

 

【この日出会った仲間たち】

 

刈田岳のセキレイ科タヒバリ属ビンズイさん

杉ヶ峰のユキノシタ科ズダヤクシュさん

杉ヶ峰のキンポウゲ科ミツバオウレンさん

 

杉ヶ峰のツツジ科コヨウラクツツジさん

杉ヶ峰のカエデ科オオミネカエデさん

杉ヶ峰のバラ科ミヤマキンバイさん

 

杉ヶ峰山頂でパートーナーをまつキアゲハさん(♂♀不明)

 

屏風岳のアズマシャクナゲさん

     

 

芝草平付近のバラ科チングルマさん

 

不忘山のシラネアオイ科シラネアオイさん

 

不忘山のサクラソウ科ユキワリコザクラさん

 

不忘山のキンポウゲ科ハクサンイチゲさん

いっぱいいっぱい咲いていたが、ごめん時間がなかったよ

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

聞きなれぬ声の主は?

2022-06-10 19:17:04 | 日記

木曜日に青葉の森で遭遇した聴きなれぬ野鳥の声の主は果たして誰だったのか、

想定される野鳥の声を、ナツメ社図鑑のQRコードでダウンロードした音声で調べてみたが、代表的ないわゆる「囀り音」に該当する音源はなかった。

だが、ダウンロードした音声にはこの「囀り音」のほかに異なった音声も入っている。いわゆる「地鳴き」といった地味な音声や明らかに「囀り音」と異なる音源も丁寧に入れられている。

そして、この音声のうちオオルリのところの中間部に「チーチーチーチー」という音声が聞きとれ、この音声が木曜日に青葉の森で聴いた鳴き声に近いような気がした。

もしやと思い、またもやYouTubeのお世話になりオオルリの「地声」、「警戒音」で検索したところ下記のmamoさんのアップしている「警戒音」にいきついた。「これだ!」と思った。

「そうか、青葉の森で姿はみえないが、甲高い声で(多分二羽の声)鳴いていたのは、子育てあるいは抱卵中のオオルリ夫婦の警戒音だったのか」

それだと何となく合点がいく。この半月あまりオオルリはあまりさえずらなくなって、時季的にはめでたくゴールインして子作りに専念している季節だ。

オオルリは、メスも声を出すのだという。巣の周りに近づくものがあったら

父ちゃん「お~い、何かの物音がするぞ巣の周り注意しろよ!」

母ちゃん「あいよ~! 父ちゃん腹減ったからエサとっといで!」

父ちゃん「ああ分かった、でもよ下のおっさんこっち向いてまだ立ち去らないんだよな、しつこいおやじだなまったく・・」

なんて会話をしていたのかもしれない。

オオルリの言語感覚もシジュウカラたちに劣らぬほど多様性に満ちていることが分かった。

もう半月もすれば、青葉の森でもオオルリの幼鳥に巡り合える日が来るかもしれない。暑くなっても、もう少し通おう。

 

 

 

青葉の森2022.6.9「不明の鳴き声」

 

ma moさんのYouTube「オオルリの警戒音」

 

 

ヤマボウシの花も咲いたよ

 


青葉の森の虫たちもよろしく。「みんな、小鳥たちの餌食になるなよ!頑張っていきぬけよ~!」

 

  

ダイミョウセセリ♂か チョウ図鑑のおかげですぐに分かった。全国に分布。

 

ジョウカイボンの仲間 変な名前 この仲間に毒はないよ

 

ヤマトシリアゲムシの仲間  顔もお尻も面白いから観察すべきだった

 

ムシヒキアブの仲間 彼らの仲間はスズメバチまで食い荒らすつわものたち

 

クワコマダラヒトリ(蛾)の幼虫 毒はないよ。一生懸命食草を食べていました。

 

 

 

コメント

幼鳥の羽ばたくころ

2022-06-09 19:40:14 | 日記

雨模様が続いたこともあったのだろうか、青葉の森を歩くのは先月の26日以来となる。いったいいままでどうしていたのだろう。この間、蔵王を1日だけ歩いたことだけしか思い出せない。何か、大切な時を浪費していたとしか思えない。

 

今日は、昼前にすこしぱらついたが出かけることにした。この前、カモシカシロちゃんに出会った森の入り口から。ズボンが、伸び切った草たちにぬらされる。

何やら小鳥の地声めいた声が聞こえたと思って、すこしゆっくり歩みを進めると、突然、眼のまえをゆっくりとした羽ばたき、まるで大型のチョウのような穏やかさで斜め下方に過る者あり。

その者が、5,6メートル先の倒木の上に止まったものだから、あわてて双眼鏡を向けピントを合わせようとしたが、すぐにまた同じような速度で地殻の木立の中に消えていった。

柔らかな産毛のような茶色をした小さな小さな小鳥だった。あまりの瞬時のことで、その小鳥の表情を克明にとらえることができなかったが、間違いなく、今この世界に羽ばたきを始めたなにものかの幼鳥のようであった。

はじめに聞こえた地声のような声は、その幼鳥が発したものか、あるいはオイラを警戒した親鳥の放つサインだったのか。

「そうか、もうそういう時期なのか、それにしても誰の子供なんだ」

いち早くこの森を訪ねていたウグイスか、それともシジュウカラやヤマガラといった留鳥たちなのか、オオルリやキビタキたちはまだ早いのかな、などと想像をめぐらすも手掛かりなし。今日、明日と雨の降らない限りこの森に入って目撃するしかあるまい。

キビタキとサンコウチョウがあちこちでさえずっていたが姿を求めず。

この間、学習していた鳥の鳴き声から「クロツグミ」と思われる声も少し聴いた。会いたいなあ。

それと、初めて聞く高らかな「チーチーチーチーチーチー」といった連続音。録音してきたので、またナツメ社図鑑などで確認してみよう。

10日も経てば、また新しい花たちが雨模様の小暗いもりでひっそりと咲いていた。あの、ヤマブキショウマさんも白い花序をいくつも広げていた。すぐ近くにトリアシショウマも確認しているが、花はまだ先のようだった。

     

梅雨の季節、雨が落ちていない限り、出かけよう。森に入らないと出会いはない。

 

     

       エゴノキの白い花  白い実になるとヤマガラさんの大好物とか

 

 

     

       ミズキの白い花  こちらの実は、キビタキさんが大好きなんだと    

 

     

      美しいピンクのタニウツギだが、有毒だという。だれが近づくのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

雨の季節の生き方

2022-06-07 14:36:15 | 日記

関東甲信がきのう梅雨に入った。東北や新潟地方もそろそろだろうが、この時期天気図を眺めて、梅雨前線が南下して高気圧が張り出すエリアを狙って歩く山を選んでいる。遠出する場合には、晴れそうなところを選んで出かけるようにしている。

6月の山は、あちこち花が咲きだして、野鳥も恋の歌を奏でているし、花から花へチョウも短い命を謳歌し、ブナの森はエゾハルゼミの大合唱だ。雪が融けた1500m以上の高山は、この6月が一番いい季節なのだが、雨の季節に重なって、雨繁く降れば、この季節は気温も下がり、鳥やセミは沈黙し、チョウも葉陰に身を隠し、花を撮るにもカメラはザックにしまい込んでいるという状態。

なので、梅雨前線影響下のエリアを極力回避するように努めているが、すこし今年の天気図は単純ではなさそうで、例えば、梅雨前線は南下しており、明日から北日本に高気圧が張り出しきて、晴れが予想されるのだが、大気は不安定で、天気予報は曇りか曇り一時雨が続くとの予報。何やら、北から冷たい寒気が流れてきてそれとの関係らしい。雷や雹も心配だ。天気予報に、晴れマークがないと、どうも心が弾まない。

あの、いい思いをさせていたただいた山形旅キャンペーンを利用して、また蔵王温泉に泊まりながら、山形蔵王古道と南蔵王の縦走を計画しているが、今週は、曇り予報に雪だるまマーク、来週は曇りに傘マークの日が続いている。まあ、週間予報は日々変転としているみたいだから、「二日間とも大崩れせず、鳥たちがさえずってくれそうな日」を見計らって、直前の宿泊予約といこう。

このあと、東北北部が晴れてくれれば、栗駒や八甲田のテントステイによる花鳥探索、梅雨前線が南下して、甲信地方がもってくれれば年来の目標であった、南アルプス北岳のキタダケソウ撮影と行きたいところだが、今やアルプスのテント泊も予約制、これも直前の天気図と予報とにらめっこしながらの直前予約となるのだろう。

キタダケソウは、6月半ばから7月はじめまでの「期間限定」となっているので、山小屋や登山者からの開花情報ともにらめっこしないとならん。

1年で一番いい季節(なんか、北海道と似ている)なのに、梅雨前線と寒気による上空の不安定という「風神・雷神さまが御座す」やっかいな季節。

まあ、去年までのコロナ禍による「県外をまたいだ移動の自粛」という文節が遠い記憶となっているだけでも良しとしようか。なにごとも、プラス思考で行こうぜ。

 

   

        雨の季節に似合う花だって咲いてるよ (エゾアジサイ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント