気象予報は真夏日の予想であったが、青葉の森は登ると汗ばむものの、いまだ五月のさわやかな風が若葉を揺らしていた。
天気がいいから、山形の蔵王古道でも歩こうかなと思ってはいたが、山形も30度をゆうに超える予想だったこと、クマニュースにいささか怖気づいていたこと、などで今週の蔵王行はやめにして、昨日に続いて青葉の森を歩く。今日は、青葉区の森(本来の青葉の森)まで足を伸ばす。
そんな、消極的な選択がよかったのかもしれない。
五月になっても、いつもなら姿を現さないのでヤキモキしていたオオルリくんの姿をやっと青葉区の森のやや薄暗い沢沿いで認めることができた。聞き覚えのある声を目で追ってしばらく立ち尽くしていたのが功を奏した。オオルリくんは、囀りながら少しづつポイントを変えるので、鳴き声がしていたらこちらは枯れ木のように立ち尽くし、移動場所を逃さないようにする。
この時季の囀りは、ライバルの♂に対するデモンストレーションだろうか、懸命に鳴き続けていて、こちらを警戒しない。近くにメスの姿も見えないが、もう意中の相手がいるのだろうか。もう少し観察の質を上げてその辺のことまで観察したところだが、逢えたうれしさのあまり、動画と静止画を少し撮って、帰路につく。
青葉の森の太白区側に戻り、いつもの出口の林道付近に差し掛かると、5月になって頻りに声だけは耳にしていたキビタキくんが近くの枝に飛んできた。そしてあざやかなオレンジの喉をならしながらの大きなさえずりの姿をみせてくれた。こちらはオオルリくんと違ってあちこち移動せず、一つところで鳴いていてくれた。こちらも動画を撮ることができた。
オオルリくんの動画と併せて明日まで編集をすませよう。やはり夏鳥の囀りは動画がいいのだろう。
今年の課題は、青葉の森の美男子と美声の三名士、オオルリくん、キビタキくん、そしてサンコウチョウくんの姿を動画でしっかり記録すること。そのためには、あと1ヶ月ほどできるだけ森に通って、オイラは枯れ木のようにジッとしよう。