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安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

医療への思い

2012年10月25日 02時28分54秒 | 健康・病気

とりあえず、奇跡の回顧から・・・

2010/1/13の日記です。

 

コードブルー・ドクターヘリⅡ始まりましたねえ。
第一回で、何度も出たセリフ
「医療の現場に奇跡はない。」
いつも、結構勉強になるなあって、みているんだけれど、
この言葉は、ちょっと・・・

だって、
医療の現場は理論が全てではない。
知識は当然必要。
理論的な思考も必須。

でも、
人智から離れたところで流れが起こることもある。
これは、くちこ的事実。

その例をあげるときりがないのだけれど・・・
例えば・・・

いつかの高齢出産。
ほんの数分で急変。
理屈抜きで、猛烈に悪い予感。
昼行灯的ドクターの背中を突き飛ばすが如くに、緊急性を強調!
後、秒単位に激烈悪化!

搬送しても間に合わない。
今からここで手術をしても・・・
しかも人手もない。
もう、無理なのか・・・

胎児はかろうじて、ほんの気持ちほど心臓を動かしている。
もう、一分後の保障もできない。

で、
大きな声では言えませんが・・・

素手のまま
当然、オペ着もなしで、
オペ台にも移さず、
なんと、皮膚麻酔だけで、
お腹を開き、子宮を開き、
既にダラリとなった胎児を出しました。

お母さんの体を固定する暇もなく、
もし痛みであばれても、それを押さえる人手はない。
お母さんは、声一つあげず、指一本動かしませんでした。
そして、ベビーの蘇生を急ぐので、お腹は開いたまま・・・

くちこは電話機に走り、救急病院の小児科に重症仮死、自呼吸なし、四肢緊張なしのベビーの受入を要請。
救急車も依頼。
「保育器付きでお願いします。」
返事、「保育器はありません。」
(以前はあったのに・・・・)

信じられないことに、9分後、自呼吸が出ました*(キラキラ)*
その血だらけで、かろうじて生きているベビーを湯たんぽと毛布にくるんで、くちこが抱いて救急車に乗りました。
1分でも1秒でも早く、小児科に渡したくて!

発車しません、救急車・・・何故?
「受入確認をしています。」
「言ったように、もう私がしています!」
「それでも、再度確認して発車するのが規則なので。なかなか電話が繋がらないのです。」
抱いているベビーが冷たくなっていくのが伝わって・・・
「絶対受け入れますから出てください!!!」

救急センターに着くと、
ストレッチャーの上にフル装備の保育器がセットされていて、
小児科医が三人、足踏み状態で待機していました。
ベビーを入れると、疾風のように小児病棟へ
必死で走って追いかけるくちこ・・・

他のスタッフは、オペの続きをしていました。

でね、
二人とも元気です
お母さんも、赤ちゃんも、
何の障害も残さず

翌日は何事もなかったかのように仕事をしましたが、
血だらけの受話器とプッシュボタンが、夢ではなかったことを教えてくれました。

だからね、
「医療の現場に・・・奇跡は・・・ある。」
と思うくちこです。

これをね、
くちこ語で言うと、
「生き運」と言います。

あ、まだ、くちこが臨床にいたころの昔話です。
でね、くちこは、看護師生活において、自分の勤務では、一人も亡くなっていないのですよ

  ご静聴、どうもです。 

上記のような現場にいたくちこです。

確かにいた・・・

喜びや感動の背中合わせには、責任や恐怖との戦いが・・・

この病院がお産の取り扱いを辞めたとき、この仕事から離れました。

社会の一点を確かに支える実感、やり甲斐、疲弊・・・・

こんな戦線を離脱して、臨床から離れた医療職へ。

なんとなく、くちこの中で、いろんなものが消えていきました。

新たな仕事を覚え、殆どパソコンに向かっています。

この仕事もまた必要な仕事なのだけれど。

くちこがくちこ的に輝くことはありません。

子育ても終わり、戦場からも帰還し、

なんだか、へとへとと、いろんな文書を作成したり、読んだり・・・

椅子から臨床の現場を眺めています。

 

こんな写真、発掘しました。

くちこはベビーを預かる時は手元に並べておきます。

人が泣いたからといって安易に泣かないこと、人は人。

領土侵犯は、遠慮がちに。

お腹が空いたと思うのは気のせいであること。

等々、世の中の正しい渡り方を教えていました。

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53 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
くちこさんは、優秀な看護師さんだったんですね。 (remonn1010(emi))
2012-10-25 14:05:12
医療の現場はテレビドラマで見るしか知らないですが、責任もあるし
過酷な仕事だと思います。

そんな中で働いていたんですね、今思い出せばその頃は夢中でやってたんでしょうね。
返信する
くちこさん、こんにちわ。 (masamikeitas)
2012-10-25 14:44:37
>素手のまま
>当然、オペ着もなしで、
>オペ台にも移さず、
>なんと、皮膚麻酔だけで、
>お腹を開き、子宮を開き、
>既にダラリとなった胎児を出しました。

昔テレビで視ました白い巨塔の唐沢君を思い出しました。
まさにくちこさんは、神の手でしたね!
今はお産の現場を離れてしまわれたのが残念です。

返信する
産婦人科の看護婦さんをなさっていたのですね。 (やっこ)
2012-10-25 17:51:57
お産は「誕生と終焉」が隣り合わせで、緊張の連続だったでしょう。
お産の時の看護婦さん(助産婦さん)がしっかりしてると、
妊婦さんも安心してお産に臨めます。
きっとくちこさんが担当した患者さんは、
くちこさんに身を任せて出産していたのでしょう。
手記をハラハラしながら読ませていただきましたが、
良かったですね。
一瞬の判断が、大切。
くち子さんには天職だったのではありませんか。

・・現在はパソコンの前でのお仕事ですか?
勿体ないなぁ~。
返信する
「事実は小説より云々」とか、いうけれど、 (jh5eux)
2012-10-25 18:52:20
現実はドラマより、ずうっと厳しいのですね。
そしてドラマより、ずうっと感動的なお話、
拝読させて頂きました^^
返信する
くちこさんの ブログに 出会えたこと・・・ (non)
2012-10-25 19:06:06
感謝します(v^-^v)
返信する
この時間に、医療関係のドラマが (タミリン)
2012-10-25 19:31:47
ダブルブッキングしていますね~
困るわ・・
返信する
医療現場の奇跡・・・・ (ケイ)
2012-10-25 20:30:04
でも これは 奇跡ではないですよ~
くちこさん達の 必死の働きなのです。
読んでいて感動してしまいました。
過酷だし 緊張の連続だと思いますが
素晴らしいお仕事をされていたのですね。
命の 大切さを ひしひしと感じます。
医療現場で 命を守るために 貢献している方々がいる一方。
今 乳幼児虐待のニュースが多いですね。 
悲しくて 腹が立って!!
何故 こんな事がおこるのでしょうね。 
返信する
こんばんは。 (アキ)
2012-10-25 21:40:50
アキのアウトドアーの師匠は、緊急ヘリーに載っています。
読んでいて、娘の事を思い出しました。
産まれた瞬間、「オギャー」とも云わず、チアノーゼが・・・・。
至急、市民病院に搬送され、一命取り留めました。
その時、奥さんはもうダメだと・・・。
脳が侵されたんじゃないかと心配しましたが、どうにか大学も卒業出来たので安心しています。

弟の子どもは、700グラムで産まれました。
返信する
くちこさんのような優秀な看護師さんの直感で救わ... (ocnsasabon)
2012-10-25 23:37:32
それにしても赤ちゃんでも、気のせいでお腹が空いたと感じることがあるという概念は私には新鮮でした。(^_^)
返信する
医療の現場でどんな看護師、救命士、医者に出会う... (春庭)
2012-10-26 06:11:52
くちかずこさんが応急処置をして助かった母子さんにとっては、かずこさんと出会えたことが奇跡。

このような出会いと人の行為の尊さで、命はつながっているのだろうと思います。
助けられた側は、ただただ、ありがとうごしか言えませんが。
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