川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

春まだ浅く

2009-11-14 08:35:11 | ふるさと 土佐・室戸
 高知県東洋町長沢山さんのブログで森繁さんに「春まだ浅く」という歌があることを知りました。啄木の『雲は天才である』という作品の中の詞に古賀政男が曲をつけたということです。

 青い文字をクリックして森繁さんの歌を聴いてみてください。詞の全文は沢山さんのブログからコピーさせて貰いました。

 http://blogs.yahoo.co.jp/naibusyougai_x1/58167688.html

 「春まだ浅く」

     石川啄木

春まだ浅く 月若き 命の森の夜の香に
あくがれ出て 我が魂の 夢むともなく夢むれば
狭霧(さぎり)の彼方そのかみの 望みは遠くたゆたひぬ

自主の剣を右手(めて)に持ち 左手(ゆんで)にかざす愛の旗
自由の駒にまたがりて 
進む理想の道すがら
今宵命の森の影 水のほとりに宿借りぬ

そびゆる山は英傑の 跡を弔ふ墓標(はかじるし)
音なき川は千載に 香る名をこそ流すらむ
ここは何処と我問へば なが故郷と月答ふ

勇める駒のいななくと 思へば夢はふと覚めぬ
白羽の兜 銀の盾 皆消え果てぬ さあれど
ここに消えざる身ぞ1人 理想の道にただづみぬ

雪を頂く岩手山 名さへやさしき姫神の
山の間(はざま)を流れゆく 千古の水の北上に
心を洗い身を清め 理想の道を我行かむ


 どこかで聞いた曲のような気がします。滋賀大学経済学部の前身である彦根高等商業学校の偲聖寮寮歌が本歌で、昭和11年(1936年)、日活映画『情熱の詩人啄木』の主題歌(有島通男・唄)として挿入されたそうです。

 今も啄木の母校渋民小学校の校歌(曲は違う)であり、盛岡市役所からは朝昼晩とこの曲が流されているようです。

 岩手県盛岡市立渋民小学校http://www.city.morioka.iwate.jp/14kyoiku/sch-e/shibutami/01about.html

 
 沢山さんは中学生の時に音楽の先生から学びその人生はこの歌とともにあったといいます。ぼくも中学生の時に松村薫先生に啄木の歌をたくさん教えて貰い、ファンになりましたが「春まだ浅く」との出会いはありません。残念な気がします。

 ぼくの想像する沢山さんの人生は闘いの連続です。解放、反原発ゴミ、民主町政の樹立…。
 孤立に苦しむ日もあったに違いありません。

「ここに消えざる身ぞ1人 理想の道にたたづみぬ」
「心を洗い身を清め 理想の道を我行かむ」

 若き啄木の詞が森繁節に載って沢山さんを励ましてきたのでしょう。いい先生と出会われてよかったなあと思います。

 町造りははじまったばかりです。体に気をつけて息の長い取り組みを町民の皆さんとともに続けられますように!

 沢山さんのブログ
http://sawayama.cocolog-nifty.com/blog/