渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

名指しされた街 池袋

2020年07月03日 | open


コロナ感染でブクロが名指しですと。
ニュース見てたら中継でロマンス通りが
出て来た。
おー。高校の時、14回補導された通りだ、
ここモロに(笑)。
ガッコふけて蔵王とかでトースト食ってた
りしたら「警視庁」て手帳を見せながら
私服のおっちゃんが寄ってくるんだよな。
大抵は女性の部下を連れて。
1年の時は彼女と一緒に歩いているだけで
補導されたこともあった(笑)。
まあ、試験休みでもない時期に昼間歩いて
いたらそうなるわな。
でも、ガッコさぼってではなく、帰りに
喫茶店で勉強したりとかもしてたなあ。
R大の近くで、R大附属高の奴らや女子大
附属の子たちと。

当時、高校生が喫茶店に行くのはごく普通
だった。今のマックみたいなもん。
JAZZ喫茶にもよく行った。
新宿の怪人二十面相にも(笑)。
パー券売って赤坂の店でダンパ(古っ)やっ
たりとかさ。
で、何故か打ち上げはブクロまで集団で
出て来たりしていた。

そういえば、サンシャインビルが建築中
で、毎晩ぶらんでーと東武の屋上に高校
帰りに彼女と上がって、夜景の中にサン
シャインを見て「きょうは何階まで出来
たね」なんて言っていた。バイクの後ろ
初めて乗せたのはその子だった。
女子大附属の子だった。


東京は夜景が綺麗だよな。
そら、密集もするだよ。都心は人が多い
のだから。

ブクロ名指し。
でも、池袋はたまたまであって、都内どこ
でもそうだと思うよ。
巣鴨のじじばば通りなんてよく感染が広
がらないと思うよ。
夜の街だけがどうのじゃないと思うけど
なあ。

(2枚目の画像は本文とはあまり関係が
ありません)



古い包丁

2020年07月03日 | open


薄刃包丁。関東型。
1979年4月に購入した。
自炊をする際に大活躍だった。
現役。今年で41年目になる。

東京型は京都型と異なり、先がストンと
落ちて全体が四角くなっている、


骨スキ。肉を鼻から削ぐ時に使うための
包丁だが、刃肉が厚いため硬い野菜用に
もなる。めちゃくちゃ切れる。40年選手、
現役。


料理人のようにハードユースでないなら
ば、毎日使っていても包丁は長く使えま
す。
使う都度研ぐのですが、コツは「研ぎ減
らさない」こと。
しっかり研ぐのだけど、必要以上に研ぎ
減らさない。
日常的に研ぐ時はサッと刃先のエッヂを
整える程度です。

一番古い私の包丁。
小学校の時の調理実習用で買ってもらっ
た「文化包丁」だ。50年選手、現役。
包丁は長く使える。




こちらは私が貰い受けて再生させたうち
の柳刃包丁。100年選手だ。
鋼が残っている限り、包丁は使える。


再生させる前。



バトニングもフェザー作りもやりにくいナイフ

2020年07月03日 | open


えーいままよ、と保存ナイフで試し切り。
まずはバトニングの薪割り。

フラットグラインドなので非常に割れ
にくい。
スカンジグラインドのプーッコレンジャー
及び半ハマグリの研師ナイフの銘コンドル
との実力差が歴然となる。
身幅があるだけブローニングよりも張り
付いて身動きが取れない。
ビルとビルの隙間に転落して挟まって
身動き取れないような感じ。
今までで一番バトニング薪割りで使い易
かったのは、1998年から2000年に愛用
していた佐冶武士の剣鉈7寸だ。山下刃物
購入した。あれはロングナイフとして
も非常に良かった。


ヒケ疵は付いていない。


フェザー作り。
こんな作りにくいナイフも珍しい。
刃筋がうねうねと安定せず、刃筋を決めて
も今度は木に食い込んで行ってしまう。
ロングフェザーが全く削れない。
マイクロベベルを落として、プチハマグリ
にすればどうにかなるか。それも不明。


これは、「ナイフ」としてしか使えない。


乾燥し切っていた薪皮からバトンの際に
木の粉が大量に出た。一発目ナイフを
立てて食い込ませ、ナイフごと薪を地面
にカンカンやった時に出た粉だ。
これはこれで、良い着火材になる(笑)。
綺麗に掃いて片付けて捨てるけど。


要するにブレード4ミリの分厚い包丁の
ような構造なので、使用領域は限定され
てくる。このままでは普通のキャンプか
トレッキング用だろう。
だから後継機種のブッシュクラフトプラス
登場だったのかも。
フラットは木工加工とかにはいいんですけ
どね。彫刻刀がそうであるように。


防衛省が官品放出オークションやるよ!

2020年07月03日 | open







自衛隊官品放出品が欲しい方は、急げ!
てか、参加の有無は抽選ですが。


私「89式小銃を希望します」
友人1「9ミリけん銃を希望します」
友人2「偵察用オートバイKLXを希望します」
せり売り参加、即落選。

中国製ナイフ鋼材

2020年07月03日 | open
 


このリアルスチール製モデル
ガルダリク
の鋼材は9Cr14MoV
である。


9Cr14MoV


成分がよく分からないので、
ネットで
調べてみたら、中国
とアメリカとドイツ
と日本の
鋼材との比較表をみつけた。




国際工業規格では日本の日立
のATS-34に
相当するらしい。
中国サイトを見ると9Cr18Mo
のほうが
多く使われているよ
うだが、それは日本
規格では
SUS440Cに相当する鋼材らし
ので、それも肯ける。
9Cr14MoVがATS-34相当
だとすると、
悪くない鋼材
だといえる。


 
 

中国製ナイフの実力

2020年07月03日 | open
 


2020年現在、世界中の多くの
ナイフメー
カーが中華人民共
和国にてナイフを製造
している。
ブランドは自国物だが、製造
のみが中国
であるのだ。
アヘン戦争で清国からイギリス
が香港を
分捕っていたが、それ
が99年間の租借の
取決めが満了
し、前世紀末の1997年に
中国
返還された。
その後の開放政策を採用した大
陸中国の
資本主義国並みの経済
発展が凄まじい。
そのうち日本は抜かれるのでは
と90年代
には思ったが、20年を
待たずに中国は世界
第二位の経
済大国にのし上がった。
そして、安い人件費を求めて、
旧西側諸国
の産業は中国に生産
拠点を移し始めた。
日本の企業もそうである。
手工業的職人技を完全否定する
赤色中国
は、先進資本主義国以
上に工場制機械工
徹底化
させた。
最初の頃は品質も覚束なかった
が、今や
自動車製造のみならず
宇宙産業の分野で
も勢いがある。
まだまだ鉄道技術や橋脚
建築、
化学工業製品の品質においては
だ世界最高水準の日本に
は遥かに及ばな
が、一般的
工業製品では今や中国なく

世界の経済は回らない。
また、食品原料や衣服の糸や布
もすべて
今では中国製だ。
日本人が食す納豆も豆腐も味噌
もうどん
の粉も、あらゆる生活
分野全般に亘り中
製品で占め
ている。
いくら中国人観光者が行儀悪い
からと中
を嫌ったり、個人
的に右っぽく
偏狭な国粋主義
で中国を嫌っても立ち行かな
のだ。
「ならばお前、すぐにパンツ脱
げ。その
綿は中国製だ」という
ことになるのだ。
 
そしてナイフである。
中国製ナイフは、やりはじめの
頃は見られ
た物ではなかったが、
今ではNCマシン等
を駆使して、
日本製と遜色ない出来のナイ

を製造している。それを日本の
1/5以下
の価格で。
フォールディングナイフに至っ
ては、日本
製の1/10以下の製品
も多く存在する。
こうなると、日本は立ち行かない。
いつまでも、高品質だから高い
のだ、だけ
では経営は困難だ。
かといって、品質を下げたり、
価格を下げ
たりしたら、それこ
そ倒産する。
どうするのか。
「独自性」の強調による戦略で、
顧客を
掴むしかないだろう。
案外、メーカーではなく、個人
作家との
コラボ戦略で店舗単位
では成功している
例もある。
金額が通常の3倍以上でも売れ

売れまくって、常に売り切れ状
態である
ことも見受けられる。
金額は正直言うと
法外な値だが、
今はコラボナイフのバブル
期な
ので爆発的に売れている。
他のナイフメーカーの通常ライン
ナップは
全く売れていない。
 
中国製。90年代中期に起業した
リアルス
チールのナイフだ。
廃番。
かなりの加工精度を出している。


日本刀でいうところの樋(ひ)の
彫りも
きっちりとしているし、
複雑なカットの
多角的造形も
ビシッとラインを出して来

いる。
グラインドは限りなくフラット
に近い
微細なRを描くコンベ
ックスだ。


この優れた造形と機能性と切れ
味と耐久性
を有しているガルダ
リクが出て早々に廃番
なった
は、手間がかかり過ぎて
コスト
がパンクになるから
ではなかろうか。
こう複雑な造形を丁寧に精度を
出していて
は、損益分岐点を大
幅に割ってしまう事だ
ろう。


廃番理由はたぶんそうでは。
そして、代替モデルとして「リア
ルスチー
ル ブッシュクラフト」
を最近出した。
今それが人気に火がついている。
下手したらバークリバーを抜く
勢いだ。
抜け目ない日本のショップは、
リアルス
チールと提携してコラ
ボモデルを作り始め
た。それも
すぐに売り切れている。


そのリアルスチールのブッシュ
クラフト
モデルの原型となった
のがこのガルダリク
で、完全に
アウトドア実用モデルとして
存在
した。
キャッチコピーは「丸太を切り
裂く為の
ナイフ」だった。


私などは廃番の為に保存モデルと
している
が、仮にメインナイフで
野営で使うとした
ら、現地での携
帯装着方法は例によって
これだ(笑)。


カイデックスシースのオーバル
ホールに
ベルクロテープを通し
て2箇所でベルト
に縛っただけの
ウエストサイドポジション
だ。
私は左腰にのみこれをする。


前から見るとこう。
ベルト密着なので、一切腕の邪魔
には
ならない。これで車にも乗れ
る。乗らない
けど(笑)。
馬車や馬ならこれがベストだろう。
シースにナイフを納めるとカチン
という
音と共にロックするので、
鯉口を切る動作
をしないとナイ
フは抜けない。


車の窓ガラスを叩き割る突起が
ハンドル
エンド=柄頭にある。
フルタングのエンド
だ。とんがっ
ている。
伝宮本武蔵作の鉄製柄頭に小さ
な斧が造形
されている物を見た
ことがある。飾りでは
なく武器だ。
柄頭で敵の眉間を叩く時に、
昏倒
させるためではなく、即死させる
為の
武具だろう。
ナイフの車両ガラス割り突起も
似たような
効能は持っている。
とんがってるし。
これで人体の急所を叩いたら死ん
でしまうだろう。
 
このモデルは、多少タクティカル
要素も
入った造りだが、現在人気
のブッシュ
クラフトモデルは、完
全にブッシュクラフ
トに特化した
モデルで、ブレードのグライ
ンド
も各種揃えている。
ハマグリ刃が人気のようだ。
スカンジグラインドが結構実力
あるのだ
が、有名なユーチュー
バーがハマグリ一辺
倒の動画配
信をしたためか、日本では
ハマ
グリ神話が独り歩きしている。
元来、ナイフにはそれぞれのグ
ラインド
には意味があるのであり、
一概に一絡げに
することはできな
いし、固定的観念で決め
つけるの
は危険だ。
ただ、自分の気に入った刃先と
グラインド
に改造したりする事
は大いにアリだろ
う。
 
そこで出てくるホローグラインド。
手の施しようがないですがな(笑)。
誰だよ、あんなえぐりグラインド
を流行
らせた奴は(笑)。
ボブ。あんただろう?(笑)
最近はもっこり地が流行りみたい
だぜ、
大将。
フォールディングナイフでは、右
も左も
全部中えぐりのブレードで
困っちゃうよ。
切った物が貼り付くしさー。
何かの意味があって、刀身の中
えぐりで
凹面にしたのだろうが、
あれは実は歴史
的な失敗だった
のでは?
多角的に解析すると、そんな気
がするよ。

80年代は世界的に文化の花開い
た時代だ
ったが、ことナイフブ
レードの実用性の
見地からは、
ホローグラインドの登場は
新規
性に誰もが飛びついたが、あれは
失敗案だったと思うよ。
文化を守る北欧ナイフなんて、
当時は見向
きもされなかったけ
ど、ずっと伝統を墨守
して、今
それが旧西側の日本やアメリカ
人気が出てきているんだから。
となりの
ロシアでも。
ホローになんてしないよ。ラップ
ナイフ
は。
日本刀もだけどさ。

作家ではなく職人たれ

2020年07月03日 | open


パイプ作りの世界にも、魂の職人である
人はいるようだ。
「自分は職人ではなく作家である」と思う
としたら、その人が作る物は終わる。
芸術家気取りでは注文主の希望を叶える
ことはできないからだ。
芸術家は芸術作品を作ればいい。
職人は匠の技で注文主の満足を果実として
提供して対価を得る。
芸術家は自己概念世界の芸術的表現を行な
い、それを金員に換算してたつきとする。
ちなみに刀鍛冶は職人であり、芸術家で
はないのだが、作家であると自己認識し
た段階で作る物は武士が求めた日本刀と
は根源的に乖離して行く。これは定理だ。
そして、その刀を使う人間のことを全く
考えない人間不在の人間疎外の具現とし
ての物品を作ることになる。作家先生と
して。
だが、それは刀ではない。

職人(外部リンク)




プロポーション

2020年07月03日 | open

(幅一寸一分、重ね4ミリ、長さ10.6センチ)

マッチョに見えるが、持つと意外と細身。
こういうのってあるよね。
着痩せする、みたいなの。
逆か(笑)。

日本刀研師が作ったナイフは、パッと見
が太めに見えるが意外と身幅は細い。

しかしこれは造形が美しいナイフだなあ
と思う。
プライマリベベルエッジ=鎬は変則的な
形状になっている。日本の古代ナイフの
刀子のようなラインを描いている。
このナイフが異様に切れるのは、根元か
ら先にかけて段々薄くなっていることと、
このラットテイルタングのように段々と
細くなる造形により、平衡分力が分散
されて摩擦抵抗に変化が生じるためと私
は読んでいる。
日本刀でも、ストロー試斬用には、試斬
特化の造り込みを中村泰三郎氏はやって
いた。
氏も「この造りは特別である」としていた
が、あくまで日本刀としてはイレギュラー
だ。
それは、刀の根元は通常より身幅広く厚く
し、先に行く程細く薄くして行く。シュッ
と洋式包丁のように。モノウチから先
ナイフの様な薄刃にしていた。
これでは刀ではなくなる。戦闘武器とし
ては耐久性が著しく劣るからだ。
しかし、ご本人も「あくまで特別」と
位置づけて、割り切って巻藁試斬専用に
作っていた。
これなどは、もろに摩擦抵抗を進行と共に
軽減させることで「抜け」をよくする構造
だったといえる。

小林康宏の場合、重ね(厚み)も身幅も尋常
の体配の刀身でありながら、高い耐久性を
示す。
それはそれなりのノウハウがある。
康宏の場合は、遠目には細身で優美な姿
に見えるが、手に取るとゴリッとしてい
る。元重ねが厚くなくともそういう印象
を持つ。
しかし、不思議と手捌きのバランスが良
い。これはナカゴの長さと張り尻による
バランス効果だと思う。私も鞘払い1.2kg
の康宏を片手で自在に操れた。刀が良いの
だ。
通常は、バランスよりも絶対重量を落とす
ことをして耐久性を犠牲する方向を求め
がちだ。空を切る剣道連盟刀術などは
選手たちはそれを求めて、鞘払いで800g
ほどの模擬刀より軽い真剣にしたりする。
無論、戦闘には使えない。
小林康宏刀の場合、実際に切る事は現代
では試斬の場しかないとはいえ、通常の
武士が腰にたばさんだ日本刀の形状を
専らとしつつ、質性は武用専一を目指し
ている、そうした日本刀を作ろうとして
いる。
さらに、肉(しし)置きはぺったんこの刀身
は康宏の場合にはあまり無い。どちらかと
いうと断面が木刀のような焼き餃子かドラ
焼きのような造りだ。
そして、小林康宏は実によく切れる。

ナイフも、その固体を手に取って実際に
見てみないと判断はつきにくい。
私の場合、鋼材よりも、バランスポイント
を重視している。
自分にとって一番使い易いバランスという
ものがあり、それにどれくらい合致して
いるかどうかをまずみる。
なので、手の中でクルクルひらりと動かし
ながら、ナイフの質性を確認する。
力ずくでナイフを握り締めることはしな
い。ナイフは握っていても、手全体の部位
で力の入り具合が異なる。外硬く中柔らか
く握る。握るというより「保持」だ。
使用法のメソッドは多岐に亘るが、ハン
ドルを力一杯握り締めることはほぼない。





使い方

2020年07月03日 | open










うっそぉ〜ん、とか思ったりもするが、
こういうことってあるのだろうなあ。
25年ほど前だっただろうか。
あるコラムを読んだ。
ある中年のおじさんのコラムだ。
その方はそれまで、牛乳パックはハサミ
で角に切り込みを入れて注いでいたらし
い。
するとある時、甥っ子の小学生が家に
来て、牛乳パックの三角屋根を掴んで
パカッと開封してコップに注いでごくごく
飲んだのを見た、と。
晴天の霹靂のような衝撃を受けた、との
ことを書いていた。
牛乳パックは片側(手前向き)の三角屋根
部分が圧力で簡単に剥離する仕組みに
なっているのを知らなかったらしい。

こういうことって、往々にしてある事も
あるようだ。
コンビニでおにぎりが出始めの頃、よく
おじさんたちは、ワンタッチでの海苔の
巻き方がわからず、全て開いて海苔を取り
出して巻いているのを私はよく見た。
タバコのセロハンの封を切るのに、帯切
の部分を引っ張らない人は殆ど見ないが、
仮にタバコを全く吸わない人は、開封方法
を知らないかも知れない。

こうしたことは、物の新旧の登場時間で
劣後が生じるわけではない。
何年か前、私の娘が広島に夏休みで東京
から来た時、小学生時代の友人たちと
集まって花火をやろうとなった。
ところが。
男子も多かったのだが、誰一人ライター
で花火に火がつけられない。
使い捨てライターで火を点けるのが怖い
からだという。
結局、コンビニで火口の長いチャッカマン
を購入してこわごわ火を点けたのだとい
う。
はあ、そうですか・・・。
タバコ吸わない人はライターを擦るのさえ
「非日常」となるから怖くなるのね。
はあ。

使わないとわからない。
ライターの回転砥石が擦れない、ボタンを
押せないとなると、マッチの擦り方を知ら
ない人だらけなんてのは当たり前の時代に
なったのだなあと思う。
これは、時代の変遷というよりも、使わ
ない事による知恵の退化と思える。
普通は、よく見て、構造的にどうなって
いて、どこをどうすればどうなるか、と
いうように想像を働かせるが、どうやら
そうした人間力が著しく低下しているよう
に思える。
それは、四半世紀前の団塊世代の「おじ
さん」たちにすでに牛乳パックのように
見られたので、時代の流れとは別なファ
クターが作用していると思える。
ロストテクノロジーみたいな。

そういえば、今の日本人は誰も日本刀の
作り方を知らない。日本刀の製法は完全
に失伝しているからだ。
現代においてやっている製造法は、幕末
に水心子という刀工が失伝を復元しよう
といろいろ模索したあいまいな方法を
「古式」として再現しているだけで、
江戸時代初期や室町時代や南北朝時代、
果ては源平合戦の頃の日本刀の中の日本刀
である平安時代末期の日本刀の製法などは
一切判明していない。
全ては「失伝」による。

それと、使い方を「気づかない不明さ」
とは別物だろうが、失伝は大きい。
今の人たちは、温石(おんじゃく)の石の
板を見ても「なんだこれ?」となるだろ
う。
私にもそうした事は多くある。

そうそう。
何年か前、広島の河原でこれを拾った。
明らかに刃物で彫り込みを入れている。


これは何?
御神体?
神奈川県川崎の金山神社の逆バージョン
みたいな。
これは、「ホド」の形代ではなかろうか。
ホトとはホド(火床)から来ている。
命を生み出す聖なるものとして鍛冶職の
火床=女性器は捉えられていた。
また、同時に、鍛冶職の聖なる象徴とし
て男根が捉えられ、それが川崎の祭りの
ようなものに発展した。
おバカな外国人や若い子たちがまるで
セックス祭りかのように川崎の金山さま
=かなまらさまの祭りでヒャッハーして
いるが、本来は峻厳で大真面目なものだ。
街道秘宝館ではないのだ。

ホド。リフレクター部分はもっと円形の
物もあり、もろに女性器に似ている火床
もある。ホトの原意はここから。


反射壁=リフレクターを持たないカマド
式の密封炉。これにしても胎内を想像さ
せる。鉄の刃物がここから生まれる。


カマド式の類型になる箱型炉。


私が河原で拾った石は、鍛冶職の聖なる
石であると私は踏んでいる。
上流から河川反乱で流れついたのでは、
と。
河川は太田川だ。
上流域には鉄穴流し(かんながし/かんな
ながし)の製鉄遺跡が沢山ある。
そうした製鉄をする大鍛冶か、もしくは
製品を作る小鍛冶の鍛冶職の聖物だった
のではなかろうか。
私の河原で拾った加工された石について
の推測は、当たらずとも遠からずのよう
に思える。
ただ、詳細は不明。一切不明。
目的と使用法と役目が失伝しているから
だ。