全くフェザーが作れないナイフもある。
に良いフェザーが作れる。
ホローなのになぜ?
その答えは、私が大幅に刃付を変えて
いるから。実はカッティングエリアの
刃先だけでなくポイント=切先もまる
きり成形し直して変えている。
下のブローニングとは用途に沿っての
セッティングを変更しているのだが、
ブレードにある程度の厚みがないと
これができない。ナイフによりけりだ。
I'm your huckleberry Tombstone scene
この映画『トゥームストーン』
でのドク・ホリディとリンゴ・
キッドの決闘は西部劇史に残る
名シーンだと思う。
日本刀では踏み込まないと切り
倒せない距離だが、その間合い
には入らない絶妙の位置取り。
刀を使う剣技である居相は踏み
込み無くば腕切りになってしま
い、相手を倒せない。相手無き
空気斬りの居合などはこの世に
存在しない。
だが、これは刀やサーベルでは
空振りして斬れないが、拳銃で
は絶対に外さない距離だ。踏み
込んで蹴り出せば相手を蹴れる
咫尺の距離。
この生死を分けるリアルな距離
感の設定が抜群にいい。
リンゴ・キッド。コルトSAA。
ニッケルモデル。象牙グリップ。
ドク・ホリディ。コルトSAA。
ニッケルモデル。象牙グリップ。
銃はフィフティ・フィフティだ。
腕のみが命の行方を決める勝負
となる。
早く正確に撃った者が生き残る。
結果は生か死しかない。
先々週から本日未明にかけて、映画
『釣りバカ日誌』を1から20まで全部
観た。
映画釣りバカ日誌は、途中あたりから
親たちに反対されながらもめでたく
結ばれる若い男女の恋愛譚を絡めるの
が定番になったが、唯一みちこさんが
出てこない時代劇版「花のお江戸の
釣りバカ日誌」がかなり物語としても
演出としても完成度が高い。これおすすめ。
毎回全国各地をロケして地元の雰囲気を
良い面として伝える作りはややお為ごかし
風味が漂うが、全国の地元の人たちが
エキストラで参加したり、偶然カメラに
収まったりしている。
私自身も『釣りバカ日誌 5』では、すー
さんが鈴木建設本社に社長車で出社する
際に写り込んでいた。青山通りで歩き
タバコしながら同僚と一緒に歩いてる
俺。
私が仕事で刀工小林康宏の高輪の自宅兼
元鍛冶場の地上げの現地調査をした結果
を顧問先依頼者の青山の大手デベロッパー
本社に報告に行く時、たまたま偶然撮影
中の『釣りバカ日誌 5』の鈴木建設本社
設定がその依頼者の本社ビルだったのだ。
研師伊波さんの自宅ビルの横。大昔は
都電の青山操車場があった場所で、青山
学院大の真向かいになる。
映画釣りバカ日誌は、毎回鈴木建設本社
と社長すーさん宅は別物件を借りてロケ
するのが恒例だった。
映画の『釣りバカ日誌』は私は寅さん
よりも好きだった。人情物が苦手な
人は退屈な映画だろう。
しかし、出ている役者さんたちがとても
良いのだ。本を書く山田監督の手腕だろう。
石田ゆり子さんが出た時などは、もう
石田さん可愛いすぎて、あら~となった。
鶴太郎も演技が上手いので驚いた。
もうどう見ても偏屈な輪島塗の石田ゆり子
のお兄さんにしか見えなかった。役者だ。
ラスト作品の舞台は北海道だ。
そこでも恋愛譚が絡むのだが、例によって
釣りシーンが出てくる。
ラストの浜ちゃんの釣りは、カナディアン
カヌーに乗って湿原を行き、イトウを釣る。
いいねえ。日本とは思えない。
北海道、最高だ。
「もっといいポイントがあるんです」と
北海道の農場の若者に連れられて、ハマ
ちゃんはそこでおかに上がって竿を振る。
浜ちゃんはルアー、若者はフライフィッ
シングで。
ところがですよ!
この役者さん、なんと、フライキャスティング
ではダブルホールをやってるの。
竿の振る速度が速すぎるのが気になったが、
ループはできていた。フライフィッシングに
なっている。
ロッドは北海道らしく6番あたりのようだが。
これ、かなり練習したか、この人自身がフライ
マンかですよ。
もしかすると、役者魂ある人で、徹底特訓した
のかも。
釣りバカ8では、西田さんは多分練習したの
かもしれないが全くフライロッド振れてなか
ったし、三國連太郎スーさんに至っては、
ロッドを持っているだけでハマちゃんに
指導しているシーンしかなかった。
フライロッドは、素人には全く振れない
難しいキャスティングが必要だからだ。
ごまかしが一切利かない。
ルアーで釣りに挑んでいたハマちゃんは
ついに幻の魚イトウを釣り上げる。
その時の西田さんの表情による演技が
すばらしい。何かが終わってしまった
ようなそんな表情をするのだ。
「釣っちゃったよ・・・幻の魚を」と
脱力感一杯に。
そして、その後、東京に戻ってから、
スーさんは脳梗塞で倒れて死線を彷徨う。
やがてどうにか突然、三途の川を渡り
そこねたスーさんは生き返ってまた
元気になるのだが、鈴木建設の会長は
退任することを決意し、社員を会館に
集めて退任式で挨拶を述べて、長年に
亘って人気を博した映画作品に幕引き
となる。
鈴木建設営業三課の課長として名演を
続けていた谷啓さんはシリーズ途中で
降板し、最終話公開直後に亡くなった。
また、すーさん役の三國連太郎さんも
このラスト作品公開後に亡くなった。
ラスト前の「19」では、仲悪かった
親父が死ぬ前にと思ったのか、ずっと
共演拒否の実子の佐藤浩市さんが
結婚式で総務部長として挨拶するだけ
のシーンに出ている。『美味しんぼ』
以来の共演ではなかろうか。(美味しんぼ
も多くの役者さんたちが出演した各作
があるが、三國連太郎の海山と佐藤浩市
の士郎役が最高だった。マジのガチの
親子の対立の実生活そのものが映像化
されたような鬼気迫るものがあった)
この長年多くの人たちに愛された『釣り
バカ日誌』が終わってしまい、とても
寂しい。
釣りバカの見どころって、釣りバカ
ハマちゃんではなくって、ハマちゃん
を慕う釣りバカたちに魅力があるんだ
よなぁ。そして、毎回ゲストの役者さん
たちは凄く良い演技をしていた。
日本人のほんとの良心を照らす良い映画
作品シリーズだと私は思う。
ひねくれた人たちはヌルすぎの映画で
毛嫌いするのだろうが、こういう作品
シリーズがあっても良いのではなかろう
か。『20』で全22作品の納竿となった。
すべてが原作から離れた完全映画オリ
ジナル脚本だ。
人の心の在りかって何だろう、と静かに
教えてくれる映画シリーズだと思う。
監督は毎回別人ながら第一作目脚本の
山田監督風味が全編に漂う。
社会派映画を撮っていた頃から、山田
監督の軸線はぶれていない。
山田監督だから『たそがれ清兵衛』が
撮れたのだと思いますよ。