渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

悪魔のスポーツ

2022年05月14日 | open



人の世の中「悪魔の〇〇」という
ものが
結構ある。
悪魔の釣りはフライフィッシングだ。
一度ハマると他に何もしたくなく
なる。ずっとフライのみやっていた
くなるのだ。
友人はトイレに行く時間も惜しんで
ロッドを振りながら川の流れの中で
ウエイダーから尻
だけ出して「これ
がほんとの天然
ウォシュレット。
ガハハ」なんて
言っていた。悪魔に
魂を売り渡して
いる。
音楽ならばJAZZとブルースだ。
これは世間でもよく知られる悪魔の
音楽。JAZZメンとブルーズメンたち
誰もが世間から隔絶してしまうロク
デナシとなるのも、悪魔と取引した
からだろう。
そして、スポーツの世界ではビリヤー
ドが悪魔のスポーツだと断言できる。
玉撞き以外一切やりたくなくなる。
寝て起きて食べて撞いて飲んで撞い
てトイレ行って撞いて、寝る時間を
削って廃人のようになるまで撞いて、
さらに撞き続けて、台の横や台の上
で眠るようにしてまで撞いていたく
なる。現に62才になろうかという
私が18時間連続で撞き続けて、まだ

撞き足りないと感じるのだから、
常人の常識などはとうに葬り去って
いるように思える。
映画『ハスラー』(1961)では
主人公エディは相棒チャーリーと
ニューヨークの老舗ビリヤード場
「エイムス」に初めて入った時、
「静かだな」
「ああ。墓場みたいだ」
「玉台はまるで死体を置く台の
ようだ」
との会話を交わす。
まさに、これは言いえて妙だ。
ビリヤードテーブルは、人間生活
をやめた人間が安置されるような
テーブルなのだ。

ビリヤードの唯一にして最大の欠点。
それは強度な中毒性が他の「悪魔の」
シリーズと同じように強烈な事だ。
フライフィッシングなどは完全に
足を洗わないと社会復帰できない
程だが、ビリヤードも玉狂いという
病症が進むと、重度の中毒患者に
なり、社会性をどんどん亡失して
行く。

その理由は分かっている。
ビリヤードは、それをする限り、
その場のテーブルの周囲の空間
のみ、時間が止まっているからだ。
かつてわが撞球会のウエブサイト

のオープニングアニメのバックに
流れるテロップは「玉を撞く時、
時間は止まる」だった。
まさにそれなのだ。
すべての社会現象や時事や世の中
のありとあらゆる事から隔離して
いる。
ビリヤードテーブルの周囲は魔法陣
のような悪魔が作った空間であり、
そしてそこで人は我を忘れる。
だが、そうした悪魔との取引では、
不思議な現象も発生する。
どんどん心が透き通って清廉になる
のである。
ただし、これは二分化しており、
人によりどんどん心根が腐って
濁っていく人間たちもいる。
一方で、ハートがどんどんクリーン
に浄化されていく人たちもいる。
そうなると、ビリヤードが織りなす
空間はますます悪魔の設えだと
分かってくる。
つまり、ビリヤードは、リンゴなの
だ。食うか食わぬか。
そして、人間は神の言いつけに背き、
リンゴを口にした。それが原罪だ。
撞球こそは人が人として試される
リンゴなのである。


チョーク

2022年05月14日 | open


チョークはこうなるまで使い
ましょ~。

チョーク大切。


タップ

2022年05月14日 | open
 




















フランス人のマンゴーが19世紀
に発明した歴史的な物体、タップ
である。
英語ではtip(ティップ)。
 
私は自分で交換する。これはもう
1980年代後半から。
タップは当たり外れが多いので、
当然交換頻度が高くなるので、
即応
の為に自分で交換し始め
た、とい
のもある。
最初の頃1980年代半ば、交換を
依頼した玉屋の
オヤジの仕上げ
が、天頂部のRが
歪んで斜めに
なっており、それを
きちんと
R出ししてくれと頼むと、
「そんな細かい事誰も言わない。
そんな事を言うのはあんた位だ。
タップなんてこんなもんだ。気に
要らないなら自分でやればいい」
言われた。あー、お金取って
それですかと、そのオヤジの
言い方がどう
にも納得がいか
ず、別なタップ交
換巧者の
先輩の作業を見させてもらっ
自分で覚えた。見取り稽古
で盗んで
勘所を掴むようにし、
何度もやって研
して技術を
磨いた。
上野の撞球師匠の店では、私が
交換し
たタップを見て師匠は感心
しながら褒めてくれた。
それでようやくタップ交換は一人
立ち
かなと感じた。
 
交換には以前はもんじゃのハガシ
のような形の革裁ち包丁を使って
いたが、ここ20数年は幅広のカッ
ターを用いる。タップと先角の平
面出しにもカッターの刃を使う。
タップの面一出しは、紙やすりで
は完全な平面は出ない。
 
タップには好みがある。
私は一枚革のタップを好む。しかも
硬めのタップ。
今までで最高の物はウォーターバッ
ファロー
だった。その次がTADの
H。そしてチャンピオンで、ル・
プロへと続く。
今使っているのは1個110円のプロ
だ。これが笑える程に頗る調子が
良い。
 
私は総じて積層よりも一枚革の硬め
好む。
ひねった時にトビとヒネリの相殺点
=減殺ポイントがぼやけて、イング
リッシュをかけた方に手玉が持って
いかれる「引きずり」を起こし
始め
た時が交換時期だ。的玉の
スロウ
のような引きずられ現象が
手玉にヒネリを入れた時に発生し
始め
る頃。
この現象は柔らかすぎるタップや
パンクや提灯になっても発生する
が、旬を過ぎたタップでも硬化か
ら軟化に転じるターニングポイント
があり、それ
を感知したら交換し
ている。
タップが現象として硬化からある
時点を境に軟化に転じるのは、革
の繊維組織が使用限界を超えて
壊し始める時期が現出する時
期な
のかもしれない。練って固
められて硬くなったコンクリート
が使用限界→崩壊する時のような。
タップにおける皮革のそうした
変化は科学的には私はよく理由
が分からないが、現象としては
プレーヤーとしてそれが感知、
看取できるという現実がある。

このタップの交換時期は個体に
よって全て
異なり、どれくらいで
交換かとは
一概に特定できない。
私はタッチが合わなければ即交換
する。
そのため、タップ交換時期の最短
5分であり、毎日5-6時間撞
いて
た頃は長持ちするタップ
でも、
持っても3週間-1ヶ月程だ
た。
これまでタップ交換は何百個交換
したか分からない。多分1000個
までは行ってないのではとは思
が、依頼された他者のタップ
交換
含めて当然200や300では
全く収
まっていない。
かなりの数の交換実績がある。
2005年以降だけでも50個箱買いの
タップが何箱も空箱になっている
のだから、もしかするとこれまで
の交換回数は千回以上行ってるの
かも知れない。
 
タップ交換は手作業で旋盤のような
精度を出して行く。その精度を出す
技法と精神的領域は、刃物研ぎに
近い感覚がある。誰にでも完璧
できるものではないが、やらない
ならば誰であろうといつまでも
できない。
まず自分で努力してマスターする
事だ。マスターしてその道の技法
のマスターになる。それしかない。


先角の素材との関係でもタップの
マッチ度は方向づけられる。
私が個人的にベストマッチだった
のは、LBMの先角にウォーター
バァッファローのタップだった。


硬いキューには柔らかいタップが
合うとされてきた時代もあったが、
私個人はそれには疑問があった。
あくまで個人的には。ソリッドな
感触のキューにはある程度硬めの
タップのほうがリニアな反応を感
知し易く扱い易い。
狙った通りの玉が撞ける。
あくまで、私の場合。


タップのみが手玉に接触する事
がルール上許されている。
タップはとても大切。
 
誰でも編集できるあてにならない
wikipediaではtipに関しては実に
公正妥当な記述がみられる。
編集したのはどなただろう。
よく研究している。
⇒ ティップ

EGO-WRAPPIN'『色彩のブルース』

2022年05月14日 | open

EGO-WRAPPIN'『色彩のブルース』



初めてこの曲を聴いたのは本屋で
流れて来たBGMだった。
衝撃を受けた。
こんな曲を書く奴がいるのか、と。
と同時に、「これは1968年だ」と
感じた。
10年遅れて来た少年は18才でその
世界を「現実として」知ったが、
1968年からの10年の歳月は長すぎ
た。
世の中は変わっていた。
彩りを纏った全ての迸りの現場は、
学内では
なく、特定の場所に集中
していた。

だが、それは考えてみると、学園
から街頭へと向かった67年、68年
の趨勢と同じだったのかも知れない
事に気づいたのは、18才時点から
もっとずっと遥かに後年の事だった。


TAD遣いの玉筋

2022年05月14日 | open
 
東京のTAD遣いの方が撞いている
動画を個人的に送って下さったの
で、毎日何度も何度も観ている。
キューをギュッギュと利かせて
キュー切れ良いのに重い玉を撞い
ている。
本当本物のキュー切れとは、手玉
を派手に走らせる事ではない。
動画の方の撞球は典型的なTADの
撞き方のお手本だ。
穴のあく程毎日観ている。
とても勉強になる。
 
TADの使い方って、2ストマシン
の扱い方に似てるのよね。
乗れない人は全く乗れない。
2ストマシンはスロットル開度を
120通りのアングルで操作しない
とならないから。
TADキューも、トビが多い、ズレ
多い、時代遅れ、とか言ってる
人は、全く核心を分かっておらず、
仮にバイク乗るとしたら2ストマシ
ンなどには全く乗れないのではな
かろうかと思う。
TADにはTADなりの乗り方がある。
キューに目盛りやメーターは無い。
すべて五感で操作操縦する。
完全に制御下に置くと、TADのほう
が他のキューよりも使い易い。
でも、それを知らない人は、表層
部分の浅い理解度で終わる。
それは、正しくは理解とはいえない。
マニュアル解説書などはない。
その扱い方は実践者のみが会得、
体得して行く。
TAD遣いたちは全員がそうして
達人になって行った。
「いつかはTAD」とは世間では
云われてきたが、上手くなって
からTADでは遅いのよ。TADと
共に育って行くのよ。
 
他のキューでも、一つ重要なポイ
ントがある。
玉は「撞く」のである、という事。
これは私は撞球の師匠から耳タコ
になる程に言われた。
「玉は突くのでも転がすのでも
ない。撞くのだ」と。マッセが
典型。あれは転がし玉や突っつき
ではない。
「撞」は、貫き通すという意味を
含む漢字だ。
玉転がしをやったら、絶対にTAD
は使えない。
トビが出るのはトビを少なくさせ
る撞き方ができないからだ。
割れが出るのは割れない撞き方が
できないからだ。
負の結果をキューのせいにしては
ならない。撞くのは自分だ。
「TADは難しいキューだ」と言う
のは、それは自分が難しくさせて
いるのである。
TADキューは、やったらやった事
を正直にリニアに反応させてくる。
2ストマシンと同じなのだ。

と思うよ、私は。
実際にずっと2ストに乗り続けて、
ずっとTADを使ってきたとこから
すると。
現実にやってみないとこれの掴み
は分からないかも。楽器の音と
一緒で。
実際に弾いてみないと自分では
分からない。
弾(はじ)くのは男になって
来いと言われる鉄砲玉だけど、
弾(ひ)くのは演奏者。
そして、TAD遣いは演奏者。

1987年の東京のビリヤード事情

2022年05月14日 | open


1987年の東京のビリヤード事情は
こんなだった。今は廃刊になった
専門雑誌「ピカソ」から。
まじで3時間待ちとか当たり前で、
どこ行っても撞けなくなってほん
とに困った。
私が超常連だった2台店は人に知ら
ていなかったからかいつでも撞け
が、他の店舗は高田馬場ビッグ
ボックスも新宿アシベも池袋ロリ
エも飯田橋ニッポンも、プールホ
ールはどこも超満員。
そして、高額なプールバーも満席
数時間待ち。全予約制。

ブームてのはやだねー。
そんで、飽きたら潮が引くより
早くポイッと捨てて人はいなく
なる。
居なくなってありがたいんだけ
さ。ブーム人間てな族たちは。
今は、何だろ。
キャンプがブームなのかな。
数年前は刀剣がブームだったよね。
ブームの虚構性見抜けないおばか
な刀職たちは喜んでる奴もいたけ
ど。刀剣女子なんてのは刀など
買わない。本質的に日本刀が好き
なのではなく、日本刀を擬人化し
たヲタ好き系なのだから。
ほら、萌えヲタの二次コンが本物
の女の子を好きなのではないのと
同じで。

アホみたいな現象はアホなんです。
それを信じるのも、それに乗るの
も。
ブームなんてのは、地に足がつか
ない軽佻浮薄なものでしかないの
だから。
ハヤリを追うのは、くそダサい。
それは渋谷ピンクドラゴンの山崎
主宰が50年前から警鐘を鳴らして
いた事でもある。
それ、真実を突く不朽の定理だ。

ハヤリ廃りとは無縁でやって行く
生き方がいいよ。いや、ほんと。



ヨシオ引退

2022年05月14日 | open


ヨシオ引退!
78戦!
おつかれさま。
馬事公苑でおんまさん乗りになる
そうです。


McDermott マクダーモット・キュー

2022年05月14日 | open


How McDermott Cues Are Made

このマクダーモットの工場の
おばちゃん、35年位前のこの
人だ。


McDermott Cue Building


経営が少し厳しくなるとすぐに
従業員の首を切ってしまう米国
企業にあって、何十年もその
会社に勤められるというのは
非常に珍しい。米国企業に終身
雇用概念は一切ないから。
マクダーモットはブラック企業
ではないのだろう。
日本のブラック企業というのは
米国の猿真似をしたんだけどね。
マクダーモットはなんだかそう
いう殺伐した企業体質とは別な
空気を持つような印象がある。


打ち込み稽古

2022年05月14日 | open



後輩が後進の指導にあたり、どう
しても物体を切った時に切り負け
して刀が跳ね返るという。
結果、振りで刃筋が立っていても
切断中に刃筋が狂うようだとの事。

「古タイヤ貰って来て、それへの
打ち込み稽古させなよ」と私は
言った。空手マンが稽古で杭に巻
きつけた荒縄を拳で打つように。
これ、結構役に立つ。
私も散々やって来たし、友人は
今でも毎日、台風の日以外打ち
込み稽古をしている。
使うのは木刀だが、刃引き真剣
でもいい。
しかし、刃引き真剣で毎日抜刀
斬撃を500回(毎日)ほどやると、
植えてある立木打ちをやったら
木が枯れてしまう。木刀でも枯
れる。気づいたら渋谷区の神社の
御神木を一本枯らしてしまった
りとかね。
そして、神主さんにひた謝りする
なんて事になったりする(笑
塚原卜伝は香取(鹿島?)の御神木
かなり枯らせたらしいが、実際
のところ、斬撃訓練にはフルコン
タクトでの実践打ち込み稽古は避
けて通れない。
そりゃあ、いくら空気斬りのカタチ
運動が上手くとも、そんなので本物
の斬撃が上達するわきゃないよ。
打つべし。打つべし。

マッセショット

2022年05月14日 | open




こんな配置で相手からターンが来
た。
手玉が玉1個分も隙間なく丸隠れ、
向こうの短クッションへのワン
バンクのショットは別玉が邪魔し
てレストできず撞きづらなので、
やむなくマッセのカーブでダイレ
クトに当てて入れを狙うショット。
結果、ヒットなるもノーイン。

この標識よりも、右折禁止の標識
のL字マッセだな(笑

私のお師匠はん。
大正から昭和初期にかけて活躍
た鈴木亀吉選手の直弟子。
戦前から戦後にかけてマッセ日本
一の人、肥土軍作師。


名人鈴亀さんはマッセを日本
広め、無敗を誇り、売れっ子女優
と共にアメリカで7年修行し、
ークラインの技法を日本に普及
させた日本の撞球界に大きな足跡
を残した人。その人の愛弟子が
肥土軍作師だった。
初めての店は目大岡山に出し、
その後上野に名店を構えた。
大正生まれ。

ジャスミン

2022年05月14日 | open












いい香り。



重い玉 ~撞球現象~

2022年05月14日 | open


野球でもよく言われるが「重い球」
というのがある。
ボールの重量は変わらないのに
「重い玉」「軽い玉」というの
は一体何なのだ、ということなの
だが、野球ボールの場合は回転
量によるものが大きいらしい。
だが、ビリヤードの場合、回転
数が少ないと野球のように重い
玉になるのかというと、そうで
もなかったりもする。
難しい問題。
手玉の回転数を少なくする芯撞き
をすると重い玉になるのかという
とそうでもない。

イングリッシュを十分利かせて
かつ手玉をググッとゆっくり動か
すのがビリヤードにおける「重い
玉」。しっかり撞いて、手玉を
走らせずに持って行く。

簡単そうで簡単ではない。
ストローク操作の領域に属する

撞き方。
「重い玉」は「転がし玉」の
対極にある撞き方といえる。
なぜならば、転がし玉も芯撞き
だからだ。
キューの操作が両者はまるで

別物となる。

プロやSA級の人たちは完璧に

操縦するんですけどね。その
下クラスはまだまだ甘い。
プロとA級のシュート力はさほど
違いません。違うのは、出しの
完成度。プロやSA(全国大会
優勝経験を持つアマ)の人たち
は、出しを完璧にライン外さず
出して行くんです。だから簡単
にポンポコ入れているように
外見上は見える。ところが簡単
に取れる位置に全部出してくる
のがプロ。
クラスが下がるにつれ、その出し
がどんどん甘くなってるんです。
違いはそこ。

A級でもB級でもC級でもキュー
さばきが巧みな人は大勢います。
プロ&SAとの差は、手玉の出し。
プロは「難球」を作らないんです。


重い玉の成功例。完璧な手玉の
動き方と
ネクストへのポジション
出し。こういうのが理想形。

重い玉

慎重に狙ったが、赤玉3番への
出しはミスの重い玉。
重い玉 出しミス


セブンイレブン・ウイスキー

2022年05月14日 | open

セブンとサントリーのコラボウイス
キーというのを買ってみた。

うーん。
ココナッツ(笑
悪くはない。超安酒だけど。