先週、友人と広島市内の撞球場に
行って対戦で研究会をやった。
ラストゲームの最終のゲーム
ボールは友人のそのラック取り
切りからの撞き番で回ってきた。
友人が撞く前に「単純に落とし
たんじゃつまんねーだろ」と私は
言った。
すると、友人はキューを構え
ながらこちらを見てニタァ~と
笑った。
そして、この図のようなトリック
ショットでわざと右上のコーナー
にラストボールを沈めた。
くっ。やるぅ。(ワイルド7飛葉
ちゃん風つぶやき)
誰でも撞けば玉が落ちるセット玉
の曲玉ではなくて、撞球者のキュー
さばきの冴えが無くては出来ない
曲玉がある。
それがマッセやロングドローだ。
この上掲の図のロング直引きは
プロなら誰でもできる。アマでも
A級のキュー切れマンならば誰も
ができる。
実はこの超ロングの直引き玉は、
手玉をジャンプさせているのだ。
低空ジャンプショット。
そうでないと、手玉にかけた逆
スピンがラシャの抵抗で消され
て、的玉に当たってから返って
来ない。
手玉の強烈逆回転を殺さない為
には、その抵抗が極度に少ない
空中を飛行させるのである。
引き玉ではなく、押し玉、しかも
キューがよく切れる強烈な押し玉
でこのような玉もワンキューで
取る事ができる。
これの球筋を知らない若いプロが
二人いたので、私が目の前でやっ
て見せたら、今度エキジビション
の展示玉でこれをプログラムに入れ
るとする、と言っていた。
しかし、平撞きでマッセのような
軌道を描くこの玉は、米国では昔
からモスコー二やエフレンが試合
やエキジビションで多くの人に見
せていた。
ただし、これも実は低空ジャンプ
フォローショットなのだ。
その点が同じ曲線描きをする手玉
といっても、常に手玉がラシャと
接触しているマッセとは原理が
異なる。(マッセにも低空ジャンプ
のマッセは存在する)
ビリヤードでは手玉は真円運動の
みはしないが、放物線軌道は様々
なショットによって実現できる。
そして、これは衝撃の事実なのだが、
フォローショットもドローショット
も、よくキューが切れる玉の場合
は、実は手玉はジャンプしている
のだ。超低空ジャンプ。
特に押し玉のフォローショット
のみは手玉の回転数は円周距離
と同一であるという事が今世紀
初頭に科学的に明らかになった。
手玉がシュルシュルとラシャ上
でその位置のまま空転回転するか
のように見える現象は、実はそれ
は「そのようにも見える」だけで、
地球上では、ラシャと玉が接触
している間はフォローショット
ではその現象は発生しない事が
判明した。
止まってから動き出すように
見えるのは、それは全て玉が
空中で空転しているのだった。
ラシャと手玉は接触していない。
その事実は、今世紀に入って
高速度カメラの撮影を用いて、
世界で初めて日本人によって
発見された。
それまでのビリヤード解説書
などは、強烈なスピンにより
ラシャの上で空回りして、それ
が弱まってラシャに噛んでから
手玉は前進したりバックしたり
する、と説明していたし、多く
の世界中の人間がそうだと固く
信じ込んでいた。
だが、それは科学的に否定され
たのだ。
そして、押し玉も引き玉も、手玉
はジャンプしているのである。
また、的玉も手玉の衝突により極
超低空ジャンプしてから前進する。
これは強烈なフォローショットや
ドローショットを繰り出したら、
物理的な現象としてはそうなって
いるのである。
鋭いショットでは、手玉はラシャ上
を走っているように見えるが、実は
ウルトラ超低空ジャンプしている
事が多い。
「キュー切れ」の秘密とはそれだ。
鋭いキュー切らしは手玉ジャンプ
ゆえに、手玉と的玉に入れの角度
がついている場合は手玉が横に
空中を飛ぶ。結果としてそれが
割れ玉となる。綺麗な割れの少な
い的玉を追っかけるようなフォロー
ショットをするには、なるべく
手玉の中心近くの上の撞点で
優しくしなやかにキュー出しを
してやると、綺麗に追い玉のよう
な押し玉になる。
これは短距離でのレール際での
キュー切りショットとして多用
する。
短距離だからと手玉を転がす
ような突っつき方は撞球では✖
なのだ。
理由はキューさばきという技術、
ビリヤード=撞球という種目の
キューの使用方法を否定する突き
方だからだ。それは撞球ではなく
転がし玉、玉転がしである。
そういう用法で棒で玉を突っつく
ならば、タップも何も要らない。
だが、現代。
転がし玉の玉転がし人類が異様に
増えている。
種目が別種目であるかのように。
なぜ、勢いよくコーナーに入れた