プールキューの重さは、私個人は
自分には19.2オンス~19.6オンス
までの間がベストだと思っている。
19.2と19.6の差は0.4オンスであり、
グラムに換算するとほんの11.34
グラムの差。
しかし、その差が大きい。それを
超えると感触は大きく違ってくる
のがすぐにわかるのだ。
バイクのハンドル周りのレバーが
1ミリ角度がずれたら即判るように。
本日、金の相場は1グラムあたり
8,900円であるので、金11.34グラム
の価格は100,926円。
ほんの11.34グラムの差は、約10
万円の価値が金においては存在
する事になる。
だが、金よりも、1グラムあたり
さらに金以上の市場取引価格で
あるパラジウムよりも、そのキュー
のほんの僅かの重さの範囲には
プレーヤーにとってはずっと価値
と意味があるのだ。
私の場合はその数値的な重量の
上下幅が11.34グラム。
5円玉が1枚3.75グラムなので、
ちょうど5円玉3枚=11.25グラム
の重量と近似値だ。
その11.34グラムの重さの重みは
無論たった5円玉3枚=貨幣価値の
15円の重みの価値ではなく、また
金相場換算での10万円の価値それ
以上の「重さの重み」があるので
ある。
その重みは一般重量と共通点は
目に見えない事であり、共通し
ない事は、貨幣換算で価値を数値
化できない事だ。
だが、その総重量の数値の如何は、
プレーヤーにとっては自身が手挟
むキューの選択の最重要ファクター
の一つとなる。
私の個人的なベストオブベストの
キューのウエイトは19.2オンス
で544.31グラムである。
TADキューのコハラタダチさんは
自作のTADキューをどの作品でも
晩年はほぼこの19.2オンスのライン
にピタリと収めて来ている。
19.20オンスは544.31グラム。
19.60オンスは555.65グラム。
つまり、私は私自身のベストウエ
イトのキュー総重量中心値を
19.40オンス=550.00グラムに
定めている。
定めているというか、経験上それ
であると実際にプレーし続けて
その値を認識したのだが。
不思議な事に19.400オンスは
ピタリと550.00グラムになる。
この偶然。
こうしたものには、人知の及ばない
何かがあると私は思っている。
尤も、重量の基準を考案したのは
人間ではあるのだが。
自作キューが今のところプレーに
おいては全ての持ちキューの中で
自分にはベストマッチング。
全長は標準キューが58インチ≒147
センチであるところ、私の自主製作
オリジナルカスタムは60インチ≒
152センチと長めの造りにしている。
裸足で立って立てるとタップ上面が
ちょうど顎の下あたりの高さ。標準
58インチのキューでは完全に喉の
あたりに来る。
刀とテッポは短いのが好きだが、
プールキューは長い物を好む。
これ、ビリヤードキューのジョイント
チャッチャとやる。
銀の盾のサンドイッチはきつかった
で、これがまたサンドイッチに
昔から、赤にはサンドイッチが
愛知県のサイトから。
カワダブをチョッパーにしちゃう
ここは同潤会アパート。日本で
原宿、いい女が多かった。
スニーキーピート・キューはかなり
カッコいいと個人的には思う。
スニーキーピートとは「狡猾な
ピート」という意味で、ハスラー
の事を指す。人騙しをするセコい
賭け玉目当ての玉突き人。トーナ
メントプレーヤーや勝負師の事
ではない。
小銭稼ぎのためにカモを見つけて
ムシる玉突き人の事だ。
そして、使うキューはハウスキュー
によく似せたスペシャルを使う。
さも玉突きがあまり上手くない風
を装ってカモに話しかけてゲーム
に誘い込んでキュッと首を絞めて
クロージングする。
ハスラーなどがカッコいいのでは
なく、その「一見ノーマル、実は
スペシャルチューンナップ物」と
いう物体のキューがカッコいいと
私は思うのだ。
しかし、スニーキーピートのキュー
について眺めていてふと思った。
これ、ハギ物(あるいはハギ模様
のプリント。ブランズウィックの
ハギ柄プリントハウスキューの
ような)のキューが一般的な時代
には、ごくありふれたデザインの
キューになるけど、1990年代以降
の日本やアメリカではこのハギ様
式のハウスキューは激減したのでは、
と。
そうなるとスニーキーの意味が無く
なる。かえって珍しい目立つキュー
となるから。
本来のスニーキーの目的に使うならば、
いかにもメーカー最安値ラインナップ
のハウスキューですよ、という外見
のキューのほうが元来のスニーキー
ピートの目的には合致しているように
思える。
最近、なんだか概念認識が崩れて、
「ありきたりのハウスキュー」を
模した物がスニーキーピートだった
のに、デザインの様式⇒本ハギ(フル
スプライス)、ノーラップ、ノー
ジョイントカラーのキューの事を
「スニーキーピート」と呼称する
事が一般化しつつある。
それ、違うんだよなぁ。
形式や様式の事を言ってたのでは
ないのよ。元々の大元は。
「そこらにありふれたハウスキュー」
と同じデザインの物だからハスラー
にカモは騙されたりしたのよね。
そして、そのありきたりのキュー
が、1950年~60年代当時は本ハギ
(あるいはハギ風プリント)で
ノーラップのハウスキューだった
のよね。
なので、話を広げると、バラブシュ
カのコンバージョン設計思想も、
ブランズウィックのタイトリスト
を使用した時点で、スニーキー
ピート思想の発展形だとも言う
事ができる。
1990年代以降の一般的なハウス
キューはツートンカラーのキュー
だろう。特に日本国内では。
こういうアダムの一番安いあたり
のラインナップのキュー。
このマルコポーロという製品名の
アダムのキューは、実はシャフト
がとんでもなく素晴らしい。
下手なカスタムを超えている程で、
シャフト商品レベルとしてはAAを
超えているのは確実。もう廃番。
今となっては、こうした材料で
廉価ラインナップモデルを作る事
は不可能なのだろう。バーズアイ
が出ていたりトラ目があったり、
年輪がワンシャフトで28年輪も
ある個体もあった。手元にシャフト
は5本ある。
その素晴らしいシャフト付きの
マルコポーロなのだが、重量には
個体差があるので、微調整は私は
50円硬貨や5円玉を入れて調整して
いる。
このキューは、見た目は全く
ハウスキューなのだが、撞球性能
は著しく良好で、スッポコポンと
玉が入るし、出しもしやすく、
また、キューがよく切れる。
切れ味鋭いキューはトビズレが
大きい事が多いが、このキューは
そんな事はない。
こいつぁ、めっけもんだぜ。
まさに、スニーキーピート。
ハッスルはしないのですけどね。
ハッスルは人騙しだから。そんな
事すると心が濁って汚(よご)
れるから。玉筋も人間の性根も
汚(けが)れてしまう。
映画『ハスラー』(1961)の
深遠なテーマがそれだった。
どちらを選ぶのか、という。
そして、目が覚めないエディに
サラは自殺する事で答えを示した。
先日、このマルコポーロで撞いて
いた動画を東京の人に送ったら、
「ハウスキューですか?」と
言われた。
お。スニーキー完成や(笑)。
撞球の違いが分かるデキル人でも
パッと見がもろにハウスキュー
と思ったみたい。
というか、ハウスキューによく
使われる製品のキューだし、
うちのクラブ撞球会でもこの
個体は共用ハウスキュー(ブレ
イク&来訪者プレー用)だった
のだから「ハウスキュー」でアタリ
なのだけど。
アダム・マルコポーロでのプレー。
手玉は走らせずググッと動かす
狙いの撞き方。地味なキュー切れ。
最初のショットは押しであるの
に戻しの箱玉系にしている。
これは先の動画でも黒8番への
出しで使っているが、押しヒネリ
による戻し玉。
引きでのラインだとラインがずれ
るために押しのひねりラインで
ネクストを出した。入射角は90度
であるのに反射角を30度にする
撞き方。(最初の動画は90度から
45度に出す撞き。二番目の動画は
さらに反射角を浅くする撞き)
手玉の軌道は的玉ヒットの後に
カーブしてゆっくり短クッション
に真っすぐに入り、入った途端
右ヒネリ作用でクッションを噛ん
で反射角を浅く変えてクーンと
手前の長クッションに入って狙
うエリアにビタリと出している。
その次のショットはポジションミス。
これは厚いアングルを2センチ引き
で止めるつもりだったが切れを
制御失敗して引け過ぎた。
それにより、赤3番はサイドと右下
コーナーの二本立てプランが入れ
穴が右下コーナーのみになり、
それを右下コーナーに右下ヒネリ
で入れて手玉を左長クッションに
ワンクッションでヒネリ引きで
戻してピンク4番に出した。
この出しは長長のバタバタでも
次の4からネクストへ出せるので
かまわない。サイドラッチョのみ
気をつければ。
この赤3番への出しは、押しヒネリ
で向こうの奥にポジ取りしたほう
が3入れ4出しの為には良かった
だろう。総合的にミスである。
いくらネクストを狙いすまして
入れても、これはミス。
つまり4番へ出す3番を入れる
位置取り=2番のショットがミス
であるということ。いくら玉を
入れるシュートに成功しても、
これはミスショットだ。