『暗殺者』(1995)
『エクスペンダブルズ3』(2014)
約20年ぶりの共演は、とても
面白く観られた。
『暗殺者』撮影時にまだ34才だっ
たバンデラスは、伝説の暗殺者ラス
役のスタローンを食いまくりの演技
を見せた。
邦画『眠狂四郎 無頼剣』(1966年)
では、共演の天田茂の演技が素晴
らし過ぎて主人公を食いまくりだ
った為、主役の市川雷蔵が誰が主役
か分からないとおかんむりになり、
もう二度と天地は出演させないで
くれと言った。
『暗殺者』(95)の時のバンデラス
は、その1966年時の天地茂のエピ
ソードを彷彿とさせる程の怪演だ
った。
あの『暗殺者』では、完全にスタ
ローンが沈んだ。
2014年での『エクスペンダブル
ズ3』では、そのあたりも十分に
製作側は配慮したようで、『暗殺
者』のバンデラスのミゲルと重な
るような役どころながら、完全に
スタローンのロスには従うという
従属的なキャラ設定にしてある。
バンデラスの役がスタローンの役
に強い憧れを抱いているという設
定は両作に共通している。
『エクスペンダブルズ3』では、
最後のシーンでスタローンの傭兵
メンバーに正式に認められた事を
バンデラスが演じるガレゴは子ども
のように喜ぶ。
劇中の「俺は人殺ししかできない
んだ。俺に仕事をくれ」と言う
ガレゴのキャラクタは明らかに
『暗殺者』のミゲルを意識した
脚本だ。
ただ、アントニオ・バンデラスは
最近ハリウッド映画にはもう魅力
が無いとしてアメリカ映画界から
撤退してスペイン本国での演劇に
シフトしたのが残念だ。
音楽やMotoGPのロードレースチ
ームオーナーをこなす等、彼は
ただの人ではない。
俳優としての演技力も卓越して
いる。
ハリウッドからの撤収は、実に
残念だ。