北の地方では、桜もこれからかと思います。
僕の住むあたりでは、葉桜、という感じも通り越してしまい、もう、ほとんど花は残っておりません。
緑や、赤の色が雑多に入り混じって、ザワザワした感触になった桜の木は、なんだか一週間前とは別な木に植え替えられてしまったかと思うようですらあります。それほど、印象が違うのです。
それでも、よく見ると上の方の枝などに、少し遅れて花をつけた組でしょうか、まだまだ綺麗な花を咲かせているのが、見えました。
桜って、あの「みんなが、一斉に、ぱあっと・・・」な感が、やはり本領といったところですよね。どうしたって、あの時が、華やかなんですよね。
でも、早く咲いちゃった組も、ちょっと遅れちゃった組も、同じ花、なんですよね。
「よし、春だ、咲くぞ、咲くぞ、それ行け。」
ちょっと気が早くて、せっかちで、咲くのが待ちきれなかったつぼみたち。
「まぁまぁ、あせらずにー。まだいいじゃないのー。」
ちょっとおっとりした、どこかのんびり屋なつぼみたち。
どちらも、見物客は少ないかもしれませんが、花となって咲いている時間は一緒ですよね。
・・・最後までしっかりとね。
鳥が一羽、桜の枝にとまると、がくの根元から、花をプツリと噛み切りました。くるくる、ひらひら、ぺたん。
入学して一週間の高校生が、自ら命を絶った(・・・かもしれない)、という悲しいニュースを知りました。何があったかとか、本当のことは、わかりません。この先、それは誰も知る事はできないのかもしれません。
僕がどうこうしてあげられるわけでも、あげられたわけでも、もちろん、ありません。ただただ、無力にニュースに目をやることしかできません。
ただ、なんというか・・・やりきれない思いを感じ、身体から一瞬、力が抜けたような気がしました。
入学して一週間、という期間。
その一週間に、何があったんだろうって、色々と考えました。
新しい環境に入っていくときは、勿論誰しも不安あるでしょうけれど、その分、希望だってあったはず。
そして、一週間。
たったの、一週間。
誰が、何をしたのか、何を言ったのか、何をしてあげなかったのか、何を言ってあげなかったのか。何か、見つけたかったものが、やっぱり見つからない、ってわかってしまったのか。
・・・もしも事故だとしても、何故。
わかりませんけれども。
周りに残された人間にとっても、とっても残酷で、残念なことです。
どうか、本当に、安らかに眠ってください。
それしか、言えないのですけれども。
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今日、新しく入学してきた沢山の一年生たちとの初顔合わせがありました。早速、大好きな楽器を前に、みんな様々な表情を見せてくれました。
希望に溢れた表情の明るい子、ちょっと大人しめな子、なんだかやけに存在感がある子、気をつけてないとちょっと隠れてしまいそうな地味な子、やけに自信満々の子、初めたばかりなんです・・・という子、堂々とした子、まだなんとなく様子を伺っている感じの子・・・色々な子がいました。
一年間、色んなことがあると思います。この子たちが、どんな表情を見せてくれるのか、とっても楽しみです。そりゃあ、色んなことがあるでしょう。でも、楽しい一年に、なりますように。何よりも、この子たちにとって。
・・・若いパワーに負けていられませんからねー。僕も、気合を入れて、がんばらねば、と心新たに引き締めてまいりました。
いいですね、若者って(←・・・なんか、相当おっさんくさい発言だ) 。
何があろうと、大切に、歳をとっていって欲しいです。
では。