怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

信長の棺

2008-07-26 23:07:44 | 
本能寺の変については、明智光秀の裏切りがあまりにもうまくいき、かつあまりにもあっけなく秀吉に負けてしまったことから、その黒幕とか舞台裏についていろいろな説が出ている。天才織田信長がもし生きていたらこの日本はどうなっていたのかと想像すると全く違った歴史になったのではないかと思われるだけに、いろいろな人がいろいろな推理をしてきた。
誰が一番得をしたかということから、秀吉黒幕説とか家康黒幕説があり、フロイスなどの宣教師の報告から「安土往還記」「くろんぼう」の小説もあり、朝廷の危機を救うべく近衛前久黒幕説とかまさに百花繚乱、もう新しい題材もないかと思われたのですが、今回は「信長公記」の作者太田牛一を狂言回しに、近衛前久黒幕説を取りつつ、その陰謀を秀吉も事前に察知し、信長を死に追いやっているとしている。
太田牛一という人物を見出し、狂言回しに使っていることによって、うまく新しい視点を出している。「信長公記」自体は資料的に信用できるとか信用できないとかいろいろ言われているのですが、事実にもとづづかない脚色がどうして出てきたかもいきさつを述べていて結構説得力があります。
それでも秀吉が事前に察知してというところは、それならば信長も当然察知できたのではと思うのですがどうでしょうか。秀吉も家康も忍びの者を使い、情報を掴むのなら、光秀も信長も同じような手段を使わないのか、そのことに無警戒なのはちょっとねと思います。
いろいろな謎解き本能寺の変の本の中ではよくできたほうだと思いますので、図書館で見つけたら読んでみてください。
コメント
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