怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

宮部みゆき「ぼんくら」「日暮らし」「おまえさん」

2020-09-27 15:29:15 | 
さえない見回り同心の井筒平四郎とその甥っ子の美少年・弓之助、見回り途中でいつも油を売っている煮売り屋の女主人お徳、岡っ引きの政五郎親分、おでこの三太郎少年、魅力的なメンバーによる江戸時代ミステリー。
1作目2作目と読んだ記憶があって、図書館で「おまえさん」を見た時には読んだかどうか記憶がなくて最初をパラパラ読んでみても出だしに全く記憶がない。
ままよと借りて読み進めたのですが、最初の殺人事件についてはやっぱり記憶がない。
第2の殺人事件が起きてやっとおぼろげな記憶が…
それでも話の展開はほとんど思い出すことなく、新鮮な気持ちのまま面白く最後まで読むことができました。

さすがに上下2巻の内、下巻になると朧気ながら話の展開が先読みできるようになってきたのですが、最後の結末はほとんど覚えていなかったのは情けない。
江戸時代の話なので、これはどうなのかと思うところもあるのですが、現代ならばあり得ないことと興ざめになるようなことでも、まあ、時代が時代なのでありうるかとスルーしてしまうところがいいところ。
それならばシリーズの第1作はどれだけ覚えているのか。

早速借りて来て読み返してみることに。
う~ん、やっぱりほとんど覚えていない。
主要な登場人物の人ととなりは覚えているのですが、事件の展開のデテールは霧の中。2回目と言っても新たな気分で読めるので、面白い。おなじみの登場人物がどういう展開から登場してきて、どう絡んでいくのかが改めて確認できました。
それならば第2作もついでに読んでやろうかと「日暮らし」も借りてきました。

最初は「ぼんくら」派生の短編が3編で、おでこの三太郎と植木職人の佐吉、さらに湊屋の葵の物語。事件がある訳でなくて江戸人情物という趣の「ぼんくら」登場人物のその後の様子。宮部みゆきは普通の目立たない暮らしを送りながら心の奥にどうしようもない魔物を秘めた悪人をちょくちょく登場させるのですが、おぞましいだけに物語を魅力的にしています。
これで一応3巻コンプリート。続編が待ち遠しいものですけど、まだ出ていないですよね。
まあ、2~3年もたてばまた気分も新しくどうなるかと思いつつ読めるんですけど。江戸時代ものは時がたっても設定が古臭くならないからいいですね。
コメント
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