く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<バイモ(貝母)> 花の網目模様から「アミガサユリ」とも

2014年04月17日 | 花の四季

【ユリ科では最も早く開花、「春百合」「母栗」の別称も】

 ユリ科バイモ属の球根植物。3~5月頃、釣り鐘形の淡い黄緑色の花を下向きに付ける。原産地は中国。「貝母」の名前は鱗茎(球根)が二枚貝の殻の形に似ていることによる。その鱗茎を乾燥させた粉末は生薬として去痰や咳止め、解熱などに用いられる。日本にも薬用植物として江戸時代に渡来した。

 花は径3cmほどの6弁花で、花びらの内側に紫色の網目模様が入る。それが編み笠に似ることから「アミガサユリ(編笠百合)」という別名を持つ。ユリ科の中では最も早く開花することから「ハルユリ(春百合)」や「ハツユリ(初百合)」とも。また栗のような形をした球根から新たな球根が生まれることから、古くは「ハハクリ(母栗)」とも呼ばれた。

 バイモは半蔓性の植物。花に近い上部の葉が長く伸びて巻きひげ状になり、周りの植物などに巻き付く。スプリング・エフェメラル(春の妖精)の1つで、花が終わると地上部はまもなく枯れ翌年の春まで長い休眠に入る。同属の仲間にクロユリ(黒百合)やコバイモ(小貝母)など。

 ただ、日本在来のコバイモ類には開発や乱獲で自生地が急減して、絶滅が懸念されているものも多い。環境省はミノ(美濃)コバイモ(単にコバイモとも)やカイ(甲斐)コバイモ、アワ(阿波)コバイモ、出雲(イズモ)コバイモなどを絶滅危惧、ホソバナ(細花)コバイモを準絶滅危惧種として登録している。「貝母咲く地蔵の慈悲にうなづきつ」(羽田岳水)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする