く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<帯解寺・小町忌> 絶世の佳人・小野小町を偲び「小町の舞」を奉納

2014年04月25日 | 祭り

【小町の一刀彫人形を納めた祠「小町の宮」前で法要】

 関西で小野小町ゆかりの寺院といえば京都・山科の随心院が有名だが、奈良市の帯解寺でも毎年4月24日に「小野小町忌法要」を営んでいる。今年も境内の一角に設けられた祠(ほこら)「小町の宮」の前で、倉本堯慧住職ら僧侶5人が読経を上げ、続いて平安装束の女性によって雅な「小町の舞」が奉納された。

 

 帯解寺は奈良盆地を南北に貫いた古代の幹線「上街道」のそばにある。歌人で絶世の美女と称えられた小野小町は同じ「六歌仙」の1人、僧正遍昭に会うため、現在の天理市にあった石上寺までこの上街道を往復した。途中、帯解地蔵で有名な帯解寺にも立ち寄ったとみられる。延宝3年(1675年)の「南都名所集」には帯解寺境内に小町の祠も描かれている。

 

 小町忌はこうした史料や発掘調査を基に復元された祠「小町の宮」の前で2006年から行われている。祠の中には奈良一刀彫の小町人形(今井一雄作)が納められており、1年に1度この日にだけ開扉される。法要は午後2時に始まった。参列者の中には小町の出生地ともいわれる神奈川県厚木市から遠路やって来たグループの方々もいた。

 

 「小町の舞」はこれまで本堂で奉納されてきたが、今年は耐震工事中のため会場を信徒会館に移して行われた。「小町の舞」は小町伝説を基に創作された地唄「七小町」に、日本舞踊坂本流家元の坂本晴江さんが振り付けたもの。この日は奈良市在住の門弟、坂本晴千翠さんが宮廷の女房装束で若く美しい頃の小町と、年老いて杖を持つ小町の2役に姿を変えて舞を披露した。

 

≪帯解寺≫ 本尊の帯解子安地蔵菩薩像(182.6cm)は鎌倉時代の作で国指定重要文化財。長くお子に恵まれなかった文徳天皇の皇后が、春日明神のお告げで勅使を立て地蔵菩薩にお祈りしたところ懐妊し後の清和天皇が誕生した。以来、安産・求子祈願霊場として皇室や朝廷をはじめ広い信仰を集めてきた。本堂手前の手水鉢(上の写真㊨)は徳川4代将軍家綱の寄進。1959年の皇太子妃美智子さまのご懐妊の際には安産岩田帯を献納、その折「全国200カ所の神社仏閣(安産霊場)の中から、霊験あらたかな皇室と関係の深い帯解寺と香椎宮を選びました」とのお言葉があったそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする