く~にゃん雑記帳

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<ミズバショウ(水芭蕉)> 花弁に見えるのは苞葉が大型化した〝仏炎苞〟

2014年04月24日 | 花の四季

【南限は兵庫県養父市の「加保坂」群落!】

 サトイモ科の多年草で、北海道と兵庫県以北の本州の湿地などに群生する。花弁のように見える純白のものは苞葉(ほうば)が大型化したもの。仏像の光背に似ていることから〝仏炎苞(ぶつえんほう)〟と呼ばれる。本来の花は小さな黄緑色で、中央の棒状の花穂(かすい)に密集する。花が終わった後に葉が伸びて長大な楕円形になり、大きいものは1m以上にも。その葉の姿がバショウ(芭蕉)にそっくりなことからミズバショウの名が付いた。

 見た目は爽やかな植物だが、葉などにシュウ酸カルシウムという毒物を含む。毒性は弱いものの、うっかり食べると口の中が腫れたり、嘔吐や下痢を起こしたりする。ヒグマは冬眠明けに体内の老廃物を排泄するため下剤として食べるという。そのため北海道などでは別名「クマクサ(熊草)」とも呼ばれる。北米西北部~アラスカには仏炎苞が黄色の「オウゴンミズバショウ」が分布するが、ひどい悪臭から〝イエロー・スカンク・キャベツ〟と呼ばれているそうだ。

 国内でミズバショウといえば「夏の思い出」にも歌われている尾瀬沼(群馬県)が有名。ただ尾瀬でのミズバショウの最盛期は夏ではなくて5月下旬~6月上旬。長野市鬼無里(きなさ)の「奥裾花自然園」では広さ7ヘクタールの湿原に約80万本が生え、日本最大規模といわれる。国内で最も遅い時期に見られるのが長野県小谷村の「栂池(つがいけ)自然園」。雄大な白馬連峰を借景にして約30万株が咲き誇る。今年は6月21~29日に「水ばしょう祭り」を開催の予定。

 南限は兵庫県養父市大屋町の「加保坂ミズバショウ公園」。40年ほど前に初めて発見されたもので、県の天然記念物に指定されている。それ以前は岐阜県のひるがの高原が南限とされていた。加保坂には約2000株が自生しており、見ごろは例年4月下旬~5月上旬。今年は4月29日に「ミズバショウ祭り」が開かれる。「水芭蕉逞(たくま)しく出て白きかな」(伊藤凍魚)。

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