【ヨーロッパ原産、「スズランスイセン」「オオマツユキソウ」とも】
ヒガンバナ科の球根草。原産地は中部ヨーロッパ~地中海沿岸地方で、昭和初期に日本に渡ってきた。3~5月頃、長い花茎に白い釣鐘形の小花を付ける。英名の「スノーフレーク」は「雪片」のこと。白い花をひとひらの雪に見立てて名付けられた。
花径1cmほどの6弁花で、縁の緑色の斑点が愛らしいアクセントになっている。うつむいて鈴なりに咲く花姿がスズランに、球根の形や細長い葉がスイセンに似ていることから「スズランスイセン(鈴蘭水仙)」という和名を持つ。他に「オオマツユキソウ(大待雪草)」という優美な名前も。
同じヒガンバナ科のスノードロップに姿形や名前がよく似ているため混同されやすい。スノードロップは明治末期頃に渡来し「マツユキソウ」という和名が付いた。それより遅く渡来したスノーフレークは草丈が大きめということで「オオマツユキソウ」と呼ばれるようになったらしい。ただ、スノードロップの1種で大型のものも「オオマツユキソウ」と呼ばれていることから、話が少しややこしい。
スノーフレークの花言葉は「純粋」「清純」「汚れなき心」など。2011年に大崎梢原作の青春ミステリー「スノーフレーク」が谷口正晃監督・桐谷美玲主演で映画化された。9~10月頃開花するものに「アキザキ(秋咲き)スノーフレーク」がある。原産地はポルトガルなどヨーロッパ西南部。草丈が約15cmと小さく、よく似た白や淡いピンク色の花を付けるが、縁に緑の斑点は入らない。「スノーフレークみなうつむきて留守の家」(満田玲子)。