く~にゃん雑記帳

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<平城宮跡資料館> 「平城京ビックリはくらんかい―奈良の都のナンバーワン」

2014年07月19日 | 考古・歴史

【「一番多い・大きい」から「一番おそろしい」「一番くさそう」まで】

 奈良文化財研究所の「平城宮跡資料館」(奈良市佐紀町)で夏期企画展「平城京ビックリはくらんかい―奈良の都のナンバーワン」が始まった。平城京の発掘開始から約55年。この間に見つかった膨大な出土品の中から何でも「一番」を集めた。夏休みを中心にした子ども向けの企画だが、分かりやすい展示方法に加え展示物の大半が本物であることから、大人の来館者にもなかなか好評だ。9月21日まで。            

 これまでに出土した木簡の中で一番長いのは長屋王の屋敷跡から見つかった125cmのもの。「都祁氷室二處深各一土……」と書かれており、氷室をどうやって造ったかを説明する内容。逆に一番短い木簡は平城宮の役所で見つかった2.8cmのもので荷札とみられる。一番小さい文字で書かれたものは直径2.2cmの巻物の軸の回りに書かれた18文字。最大の文字は瓦工房で見つかった木簡で、書き出しの「越」の字は縦横3.3cmもあった(左端=部分)。最も長い文字は「行」の字を練習した木簡で、最終画の長さが15.2cmもあった(左から2番目=部分)。

   

 病気や厄を祓うため水に流すおまじないの人形(ひとがた)は普通、手のひらに乗るぐらいの大きさ。だが、平城京からは長さが119cmもある大きなものが見つかった(左から3番目=部分)。人形の中には心臓や目に釘が打ち込まれたままのものもあり「一番おそろしい出土品」として展示されている。右端の写真のうち右側の人形には「坂部秋近」という名前も刻まれていた。その人物に対する執念深いのろいが今も続いているとは、ああ恐ろしや。

 

 同じ漢字を何度も書いて練習したとみられる木簡の中で、一番多いのは意外にも「大」を練習したもので511枚も見つかった。平城宮の役所の近くの穴からは8万個以上という大量の植物の種が出てきた。木苺やメロンの仲間の種が最も多かったという。大膳職(だいぜんしき)という役所の井戸からは櫛(くし)が22点もまとまって見つかった(上の写真㊧)。平城京郊外の「頭塔」の心柱の下からは、123枚もの銭(萬年通寶や神功開寶など)を紐に通した「さし銭」が発見された(㊨)。地鎮祭祀で埋納されたとみられるが、平城京でこれほど多い例は他にないそうだ。

  

 「一番くさそうな土器」として展示されているのは墨で「小便」と書かれたもの(㊧)。トイレ代わりに使って、たまったら捨てに行っていたのだろうか。「一番寝にくい枕」は中国の唐から運ばれてきた唐三彩の焼き物(㊥)。いかにも硬そう。「一番奇妙な木簡」は2つの耳が描かれたもの(㊧)。しかも書かれている文章は耳とは無関係という。はてな? このほか、1300年前から「ず~っとおんなじ!」として奈良時代のサイコロや鈴、耳かき、ものさし、下駄など、「すっかりかわった!」としてトイレットペーパー代わりの籌木(ちゅうぎ)、木を刳りぬいて作った木靴、数を計算する道具の算木(さんぎ)なども展示している。

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