く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ニンジンボク(人参木)> 風にそよぐ花穂、うす紫の小花が涼しげに

2014年07月20日 | 花の四季

【中国原産、和名は葉の形が朝鮮人参に似ていることに由来】

 中国大陸原産のシソ科の落葉低木。日本には享保年間(1716~35)に薬用植物として渡来したといわれる。7~8月ごろ、長さ20cmほどの花穂を伸ばし、うす紫色の唇形の小花をたくさん付ける。その花の蜜はアゲハチョウや花バチたちの大好物。樹木としては珍しい紫花で、風にそよぐ姿が涼しげなことから庭木や公園木としても人気が高い。

 葉は長い楕円形の3~5枚の小葉からなる〝掌状複葉〟。手のひらを広げたような形で、小葉の先端は尖り縁にはギザギザの鋸歯が入る。その形が薬用の朝鮮人参(御種=オタネ=人参)の葉に似ていて、草本でなく樹木であることから「人参木」の名が付いた。花後の小さな黒い果実は漢方で「牡荊子(ぼけいし)」と呼ばれ、風邪薬などに用いられる。

 同じ仲間のヴァイテックス属(ハマゴウ属)にはハマゴウやセイヨウニンジンボク、タイワンニンジンボクなどがある。ハマゴウ(浜栲)はよく似た紫色の花を穂状に付ける(2013年12月5日ブログ参照)。セイヨウニンジンボクは南欧~西アジアに分布し、イタリアニンジンボクとも呼ばれる。日本には明治時代中期に渡来した。

 セイヨウニンジンボクは花色の紫が濃く、小葉も5~7枚と多いのが特徴。木全体に芳香があり、果実はかつてコショウの代用品として用いられた。英名は「純潔の木」を意味する「チェイストツリー(chaste tree)」。セイヨウニンジンボクには白花の品種もある。タイワンニンジンボクはインドから中国南部、マレーシア、台湾にかけて分布する。「藪のうしろの人参木よひるのつき」(安井浩司)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする