く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<クサレダマ(草連玉)> 湿地に鮮やかな黄花、別名「硫黄草」

2014年07月26日 | 花の四季

【草+レダマ(マメ科の落葉低木)、よく似た花の色に由来】

 遠目からも鮮やかな黄花。水辺の小さな表示板には「クサレダマ 原産地日本(北海道~九州) サクラソウ科」とあった。クサレダマ? てっきり「クサレ(腐れ)+ダマ」と思い込んでいた。帰宅後調べて「クサ(草)+レダマ」と分かるまでは。だから、この植物に対して少々気の毒な思いがしていた。せめて漢字も併記してくれれば、そんな誤解も防げると思うのだが……。

 オカトラノオ属(リシマチア属)の多年草で、全国各地の日当たりのいい湿地に自生。7~8月ごろ、直立した茎(高さ50~100cm)の上部に多数の黄色い小花を円錐状に付ける。地中海沿岸地方原産のマメ科の落葉低木・レダマに花の色がよく似ていることから、クサレダマという名が付けられた。レダマの別名は「スパニッシュ・ブルーム」。このブルームはエニシダ(金雀児)のこと。クサレダマはその花色から「イオウソウ(硫黄草)」という別名も持っている。

 仲間にオカトラノオやヌマトラノオ、ヤナギトラノオなど。いずれも長い穂に多くの小花を付ける。属名のリシマチアは古代マケドニア王国のリシマコス王の名前にちなむ。猛り狂った牡牛に襲われたとき、トラノオの1種をムチのように使って難を免れたという伝説に由来するそうだ。クサレダマと同様に頭に「クサ(草)」が付く植物にはクサアジサイ、クサネム、クサフジ、クサソテツなどがある。

 クサレダマは地下茎を伸ばし湿原などで群落をつくる。だが、この植物も湿地の開発や水質の汚濁などで次第に生息域が狭められてきた。東京では野生種は既に絶滅したとみられ、埼玉や富山、京都、大阪、奈良、三重、徳島などの各府県でも絶滅危惧種に指定されている。「友達の友達になろ草連玉」(鈴木みのり)。

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