く~にゃん雑記帳

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<ニチニチソウ(日々草)> 熱帯育ち、炎天下に毎日次々と開花

2014年07月29日 | 花の四季

【マダガスカル島原産、本来は常緑の低木

 原産地はインド洋西部のマダガスカル島。もともとはキョウチクトウ科の常緑性の低木だが、寒さに弱いため日本では1年草として取り扱われる。7~9月頃、茎の先に赤や白、ピンクなどの花びらを青空に向けて平たく広げる。花は径3~5cmほどで、先が5枚に分かれた筒状花。雄しべや雌しべは真ん中の小さな穴に隠れてほとんど見えない。1つの花は短命で2~3日でしぼむが、次々に新しい花が咲き続けることから「日々草」の名が付いた。別名に「ニチニチカ(日々花)」。

 日本に渡来したのは江戸時代の中頃とみられる。1777年(安永6年)に水戸藩主徳川斉昭の命で編纂された図鑑『山海庶品(しょほん)』には「安永中、琉球ヨリ来ル……安永六年、広ク四方ニ伝フ」と記されているという。ニチニチソウには大きく分けて3つのタイプがある。草丈が50cm超の高性種、30~40cmで花壇や鉢植え向きの矮性種、それ以下でグランドカバーに向いた匍匐性品種。最近は風車咲き、先端がギザギザのフリンジ咲きなどの品種も出回っている。

 ニチニチソウは「ビンカ」と呼ばれることもある。これは以前ビンカ属に分類されていたことによる名残で、ビンカはニチニチソウ属とは別のツルニチニチソウ属の学名。ツルニチニチソウはヨーロッパ原産の常緑の蔓性植物で、春に青い花を付ける。その名は花の形がニチニチソウによく似ていることによる。繁殖力旺盛で日本各地で野生化している。

 ニチニチソウは葉を中心に全草にアルカロイド系の有毒成分を含む。口にすると嘔吐や痙攣、筋肉麻痺などの症状を引き起こす。同時に薬用植物としても知られる。原産地のマダガスカルでは古くから糖尿病の民間薬として使われてきたという。今では小児白血病など抗がん剤の製薬原料としても利用されている。「紅さしてはぢらふ花の日日草」(渡辺桂子)。

コメント (1)
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