岡崎公園は向かいの京都市立美術館で開催されていたルーブル美術館展は待ち時間1時間などと大人気だったので、本展もさぞ混雑しているのではと思ったが、意外に少ない人出であった。はたと気が付いた。ルーブルというと来ている作品がどうであれ、一定人気があり、ルーブルの名前を知らない人は少ないであろうから、パリにまでは行けないと考える人が行った可能性はある。しかし、ボルゲーゼというと知る人ぞ知る美術館なのであろう。
ローマはヴァチカン美術館をはじめ、やはり見所は多い。美術館もヴァチカン、フォロロマーノ近辺と交通の便はよいが、ボルゲーゼはバスに乗らなければならず少し離れている。しかし、足を伸ばしてみるほどのその価値は。
本展ではカラヴァッジョの作品も来ていて、それがある種の「売り」ではあるが、ボルゲーゼの傑作はベルニーニの諸作品である。「プルセロピナの略奪」は、繊細かつ剛胆で大理石がここまで柔らかくなるのかという逸品であるが、残念ながらベルニーニの作品はボルゲーゼ卿胸像だけである。とは言ってもカラヴァッジョの「花かごを持つ少年」やラファエロの「一角獣を諾貴婦人」さらに真作が失われたダ・ヴィンチの「レダ」模写は美しい。
ボルゲーゼの素晴らしさは収納展示品はもちろんのこと、各部屋を彩る天井画の豪華さもある。寝そべって見るわけにはいかないが、規模の小ささを感じさせないほど見落とすことが許されないほどの濃度である。
本展をもってボルゲーゼ美術館の真価がもっと知られることを切に望む。
(カラヴァッジョ 花かごを持つ少年)
ローマはヴァチカン美術館をはじめ、やはり見所は多い。美術館もヴァチカン、フォロロマーノ近辺と交通の便はよいが、ボルゲーゼはバスに乗らなければならず少し離れている。しかし、足を伸ばしてみるほどのその価値は。
本展ではカラヴァッジョの作品も来ていて、それがある種の「売り」ではあるが、ボルゲーゼの傑作はベルニーニの諸作品である。「プルセロピナの略奪」は、繊細かつ剛胆で大理石がここまで柔らかくなるのかという逸品であるが、残念ながらベルニーニの作品はボルゲーゼ卿胸像だけである。とは言ってもカラヴァッジョの「花かごを持つ少年」やラファエロの「一角獣を諾貴婦人」さらに真作が失われたダ・ヴィンチの「レダ」模写は美しい。
ボルゲーゼの素晴らしさは収納展示品はもちろんのこと、各部屋を彩る天井画の豪華さもある。寝そべって見るわけにはいかないが、規模の小ささを感じさせないほど見落とすことが許されないほどの濃度である。
本展をもってボルゲーゼ美術館の真価がもっと知られることを切に望む。
(カラヴァッジョ 花かごを持つ少年)