フェルメールの作品は世界で30数点しかないと言われとても貴重だ。しかし、その3分の一くらいは見たと思う。今回も「窓辺で手紙を読む若い女」が目玉で、1点だけ別室にしつらえてあった。けれどいくら目玉であってもあの扱いはどうか。昨年の神戸市立博物館での「栄光のオランダ・フランドル絵画展」に「画家のアトリエ(絵画芸術)」が来たときも大げさな展示だった。たしかに珠玉の作品であるけれど、一品だけことさら別室にものものしく展示するのはフェルメールの風俗画を楽しむのにもふさわしくないように思える。まあ、どうしても人だかりがするから他の作品と等間隔で展示するわけにはいかないだろうけれど。ベルリンの文化フォーラムでも、NYのフリックコレクションでもフェルメールが普通に飾ってあって、むしろ他の作品より抜きん出ていて眼を引いた覚えがある。そんな「普通の」展示の方が好もしい。
ドレスデンは「世界の鏡」(本展覧会サブタイトル)として隣国のフランスやイタリアはもちろん東洋までその「美の収集」に奔走した姿は圧巻だ。マイセンで伊万里を表現するなど面白い。絶対王制こそ芸術の発展と保持にふさわかしかったのは古今東西の常識だが、共和制以降の現代人がその圧政の罪と歴史的保存にいかに自覚的であり得るか。ドイツバロックは、ナチスという史上最悪の犯罪をくぐり抜けた地の単なる古典であってもその魅力が減じることはない。第2次大戦で徹底的に破壊された古都ドレスデンは、修復もすすみ、ドレスデン城は2010年には壮大に完成するという。行ってみたいものだ。
同会場で記念上映された「オランダの光」は、フェルメールやレンブラント、「光の画家」たちを生み出した地域の独特の「光」にスポットをあてたアナログ作品。モンドリアンのコンポジションにもこの光が確実に影響しているとする解説はなんとなくわかるような気がした。そういえば、モンドリアンの作品を多く持つ市立美術館、フェルメールを展示するマウリッツハイス美術館を擁するデン・ハーグの陽光はやさしかった。
ドレスデンは「世界の鏡」(本展覧会サブタイトル)として隣国のフランスやイタリアはもちろん東洋までその「美の収集」に奔走した姿は圧巻だ。マイセンで伊万里を表現するなど面白い。絶対王制こそ芸術の発展と保持にふさわかしかったのは古今東西の常識だが、共和制以降の現代人がその圧政の罪と歴史的保存にいかに自覚的であり得るか。ドイツバロックは、ナチスという史上最悪の犯罪をくぐり抜けた地の単なる古典であってもその魅力が減じることはない。第2次大戦で徹底的に破壊された古都ドレスデンは、修復もすすみ、ドレスデン城は2010年には壮大に完成するという。行ってみたいものだ。
同会場で記念上映された「オランダの光」は、フェルメールやレンブラント、「光の画家」たちを生み出した地域の独特の「光」にスポットをあてたアナログ作品。モンドリアンのコンポジションにもこの光が確実に影響しているとする解説はなんとなくわかるような気がした。そういえば、モンドリアンの作品を多く持つ市立美術館、フェルメールを展示するマウリッツハイス美術館を擁するデン・ハーグの陽光はやさしかった。