kikoがスタート

2005年8月にスタートしました。
私が観た(見た)、感じた、覚書き、気になることを書いてます。(^^ゞ

神戸市立博物館で「聖フランシスコ・ザビエル像」の実物が展示 追記

2022年04月22日 | 美術館・博物館
神戸市立博物館は3月29日から5月8日までの期間限定で
重要文化財「聖フランシスコ・ザビエル像」の実物が展示されています。

実物の「聖フランシスコ・ザビエル像」 2019年11月

教科書にも写真が掲載される「聖フランシスコ・ザビエル像」の実物が見たくて、神戸市立博物館リニューアル記念 「神戸市立博物館名品展」に行きました。

天文18年(1549)に来日したフランシスコ・ザビエル(1506-1552)は、イエズス会の創立会員として、日本に初めてキリスト教を伝えた人物。

ザビエルは1622年に聖人に列せられ、その知らせは日本のキリシタンの間にも伝わり、展示されている「聖フランシスコ・ザビエル像」は、1623年以降に西洋の絵画技法を学んだ日本人絵師が描いたと推測されています。

「フランシスコ・ザビエル像」は、摂津の千提寺地区で密かに伝来していましたが、現在は神戸市立博物館で所蔵されています。


~~~ここからは、茨木市・千提寺地区へ行った時のことです。~~~

茨木市・千提寺地区 「あけずの櫃 (ひつ)」 2010年12月

「聖フランシスコ・ザビエル像」は
茨木市北部のキリシタン大名・高山右近旧領だった大正時代まで発見されませんでしたが、隠れキリシタンの東家の屋根裏にくくりつけられた『あけずの櫃』から「聖フランシスコ・ザビエル画像」 と「マリア十五玄義図」 が、大正9年(1920)9月26日に発見されました。

「あけずの櫃(ひつ)」は、周り27.7cm、長さ90.9cmの
孟宗竹を縦に割り、栗の丸太の荒削り作りの差し込み蓋です。

信仰の品々を隠し入れた竹筒のことは、長男のみに伝承され誰に見せることも、代々あけることもなかったことから 『あけずの櫃』 と呼ばれていたそうです。

「マリア十五玄義図」 (マリア十五ゲンギズ)

東久嗣家蔵 大きさは縦81.9cm×横66.7cm

マリア十五玄義図は2幅発見されており、その1幅はザビエル聖人画像と同じく、大正9年9月26日 『あけずの櫃』 から発見されましたが、もう1幅は昭和5年4月23日に下音羽の原田辰次郎家の母屋の檜楚にくくりつけてあった「すすけた筒の中」から発見されています。

江戸時代のキリスト教禁教によって
キリシタンに関連する絵画類は、ことごとく破壊されています。

神戸市立博物館で、重要文化財「聖フランシスコ・ザビエル像」は
専用の展示室で見ることができて、写真に撮る事もできました。
※作品保存の観点から、実物の展示期間以外はレプリカの展示です。

追記  神戸市立博物館に所蔵されることになったのは
 神戸で過ごした南蛮美術品コレクター池長孟(はじめ)(1891~1955)氏が、何度も千提寺に通って説得を続け35年に資金捻出のため、別荘を一つ売り払って譲り受けました。

 3年後に「池長美術館」(現・神戸市文書館)が完成したとき、展示された数々のコレクションの中にザビエル像もありました。

 しかし戦後、所有する美術品に多額の財産税がかけられるようになり、池長氏は手元に現金がほとんどない状況になり、51年に美術館とコレクションを市に寄贈されたのでした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 庭先の片隅に咲く「我が家の... | トップ | 隠れキリシタンの里に「厨子... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館」カテゴリの最新記事