通園さんを出て、歩いて数分のバスが迎えに来てくれる場所に行くと
「宇治市指定文化財 石造聖観音菩薩坐像」 の説明板がありました。
像の高さが115cmあり、花崗岩に厚肉彫りされた聖観音菩薩像です。
別の石で作られた蓮華座に座し、その上に二十円光を負い、宝冠をつけ
右手は施無畏印 (せむいいん)、左手は蓮華を捧げて結跏趺坐 (けっかふざ)
しています。
昭和四十八年三月三十日 「宇治市指定文化財」 に指定され、鎌倉時代
後期の作品と考えられ、東屋観音と呼ばれて地元の信仰が厚いそうです。
もう一つの説明板には
源氏物語 宇治十帖(六)
東 屋
浮舟の母は、今は常陸介 (ひたちのすけ) の後妻となっていた。
浮舟には左近少将 (さこんのしょうしょう) という求婚者がいたが
少将は、浮舟が介の実子でないと知ると、財力めあてで浮舟の義妹と
結婚してしまう。 この破談に浮舟を不憫に思った母は、縁を頼って
二条院にいる中君に預けることにした。
ある夕暮、ふと匂宮 (におうのみや) は、西対 (にしのたい) にいる
浮舟を見て、その美しさに早速言い寄った。驚いた母は、娘の行く末
を案じ、三条辺りの小家 (こいえ) に浮舟をかくした。
晩秋、宇治を訪れた薫君 (かおるのきみ) は、弁尼 (べんのあま)
から浮舟の所在を聞き、ある時雨模様の夜に訪ねて行く。
さしとむる葎 (むぐら) やしげき東屋の
あまり程ふる雨そそぎかな
翌朝、薫君は浮舟を連れて宇治へと向かった。薫君にとって浮舟は
亡き大君の形見と思われた。
平成十八年十月 (財)宇治市文化財愛護協会
∽∽∽∽∽∽∽ ひとりごと ∽∽∽∽∽∽∽
結跏趺坐とは、「趺(あし)」は足の甲のことで、「結」は趺を交差させる
こと、「跏」は反対の足の太ももの上に乗せることだそうです。
これは建仁寺さんで束の間の体験をした 「座禅」 と同じ座り方ですね。
~~~~~~~ 今日の誕生花 日比谷花壇より ~~~~~~~
花名 : シネラリア 花言葉 : いつも陽気
カナリア諸島の原産です。 日本には明治初期に渡来しました。
春を彩る花の一つで、色も赤、紅、紫、濃紫、赤紫、青紫、青、白、ピンク
など様々で、一色のものや蛇の目咲きのものなど多種類あります。