喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

青年海外協力隊 ~風になりたい~

2010-02-24 | ブログ
 ちょうど1年前、喜久家には愛知出身の市前寛子さんがいました。
喜久家に申し込んだ理由は、
「JICAの青年海外協力隊に参加したい。そのためにボランティア活動の実績をつみたい」
とのこと。
過去、最終選考まで残り、涙をのんでいました。
今回は、勤めていた介護施設の仕事も辞めて、熱き思いをこめていました。
 彼女は、実に下向きな女性でした。
日々のみかん作業。そして休みの日には三崎のデイサービスなどにボランティアとして関わっていました。
 その結果、みごと合格採用。彼女も地域の人たちもどんなに喜んだことでしょう。
現在、南米パラグアイで元気に活動しています。

 実は、おもしろい縁があるもので。
市前さんと交替で帰国したのが、愛媛県伊方町二名津出身の田村元美さん。
つまりこの地域の人なのです。
実家は、揚げパンやウニまんじゅうなどで有名な老舗の田村菓子舗。
どんな人でも包みこんでしまうような、あたたかい雰囲気をもった女性です。
 
 先日、三崎中学校の後輩たちに向けて講演会が開かれました。
やわらかい雰囲気の中、笑いあり、驚きあり、感動あり。
 感動の話を1つ。
当時、パラグアイ駐在の田村さんからの呼びかけにより、三崎中学校で文房具や靴などを集め、パラグアイに贈りました。
現地の小学校では、その贈呈式が開かれ、一品ずつ最も必要な子どもに手渡されていったそうです。
靴を買えない貧しい女の子がいました。いくら寒い日でも裸足にサンダルで往復10㎞の山道を通っていました。
贈った靴が何とその子の足にピッタリと合ったのです。
もうその子の喜びようといったらすごいもので、村に帰ってもみんなから喜ばれたそうです。

 日本の田舎三崎と地球の反対側南米パラグアイの田舎がつながったのです。
世界は、思ったよりも広く、いや思ったよりも近いのかもしれません。

                                   岬人 おさむ