「平礒の風景」
田舎暮らしの楽しみ方の1つ。
車の窓を全開にして、自然の音に聞き耳を立てること。
こんなふうにし始めたのには理由がある。
それは、今の生活が、自然の音ではない、人が作り出した音にあふれているから。
家の中にいてもテレビ、パソコン、音楽、電気機器などから常にさまざまな音があふれ出ている。
そしてそれをかなり大音量で聞くことも多い。
それらを消すと今度は、密封性が高い最近の家では、自然の音が聞こえない。
そんな音の世界に慣れてしまっている。
それに比べて自然の音は、もっと小さく、やさしく、シンプル。
虫や鳥の鳴き声、川のせせらぎ、寄せては返す波の音、風の音に雨の音など。
こう考えると、人はどんどん自然から離れた生活に向かっている。
自然の音に鈍感になっている。
自然に生きている生き物なら、音に鈍感ならば、命の危機となる。
人は、いったいどこに向かっているのだろう。
夕方、娘のさやかと車中こんな話をしながら帰った。
「お父さん、そうやなー。 思ってもみんかった。 こんなのいけんやん。」
もっと、自然と共に暮らしていきたい。
岬人(はなんちゅう)