①北白川の石仏 ③西教寺の石仏(大津市山中町)
②志賀の大仏(おぼとけ 大津市滋賀里町)
西教寺の石仏(大津市山中町)
阿弥陀如来座像。鎌倉時代。
西教寺の門脇、街道に面して祀られています。地元では「薬師さん」として信仰を集めています。山中越を利用した旅人の目標として「一里塚」とも呼ばれています。
山中町西教寺の石仏 志賀の大仏(おぼとけ)
志賀の大仏(おぼとけ 大津市滋賀里町)
阿弥陀如来座像。鎌倉時代。
奈良時代、天智天皇が建立した崇福寺跡に向かう山道への入口に祀られています。地元の方々は「大仏講」をつくり、大切に信仰されています。お顔の優しい表情が印象的です。
北白川の石仏
〈御詠歌は「みちばたの川にはさまれ東むき あさひをうける子安観音」〉
傍らの説明書きには、
「ここは昔から白川の村の入り口に当り、東は山を越えて近江に向い、洛中へは斜めに荒神口に通じていた。また出町から百万遍をへて浄土寺へと向う細道との交差点でもあった。
この堂々たる鎌倉期の石仏は『拾遺都名所図会』に希代の大像として描かれている弥陀像であるが長い年月の間にかなりの風化が見られる。古来子安観世音として町の人々の信仰があつく今も白川女は必ずここに花を供えて商いに出る。」
とありました。
〈天明7(1789)年刊行の『拾遺都名所図会』より 北白川の石仏〉
【参考文献】
大津の歴史事典HP
森本茂「志賀の山越えの<いはえ>考」(『奈良大学紀要』17号)
『滋賀県の地名』(平凡社)
林屋辰三郎・川嶋将生・鎌田道隆編『京の道ー歴史と民衆』(創元社 1974)