湖畔人です。
前回、第237話で気になった音楽としてDon Henleyの『Heart Of The Matter』と『The end of Innocence』を紹介させていただきましたが、あの後からドンヘンリーとイーグルスばかり聴いています。特に『Heart Of The Matter』に心捕らわれてしまって、何とも気になる曲に成ってしまってかなりヘビーローテーションしています。特に曲中の歌詞、“The more I know, the less I understand, all the things I thought I knew, I'm learning them again”って言う歌詞が、何とも言えず心に入って来ます。”知れば知るほど、判らなくなって、既に判っていたと思っていた事でも、今また学び直しているんだ”って言う感じだと思いますが、まぁ確かにそうだよな、と思う今日この頃なのです。改めて、聴いていて優しい気持ちになる良い曲だと思いました。
Eaglesと言えば、彼らの曲で最も有名なのは『ホテル・カリフォルニア』だと思いますが、他にも沢山良い曲はございますが、基本彼らの曲はベースがカントリーなので、流して聴くには、牧歌的で日本の田舎の町並みにはぴったりな感じのゆったりした曲が多いのですが、でも、彼らの爽やかな曲の歌詞をよくよく見てみると、貞操観念が崩壊気味のアメリカの病的な感じがよく出ている毒のある曲が多くて、中々微妙なのです。『Lyin' Eyes』も『Tequila Sunrise』も『Take It Easy』もサウンドとは裏腹に微妙です。『New Kid in Town』もサウンドは爽やかな曲ですが、歌詞にはたっぷり毒が隠されています。そうイーグルスは一筋縄ではいかないバンドなのです。
そんな中、比較的ストレートに誠実な感じがする曲を2曲今回ご紹介させていただこうと思います。両方ともドンヘンリーがボーカルの曲ですが、一つ目は、『Best of My love』です。リカバリーがかなり難しくなった恋愛関係に自分の愛の全てを捧げますと切羽詰まった男の願いを絞り出したような曲です。そう聞くと何か結構ツライ感じですね。
もう一つは、『DESPERADO』です。こちらは結構有名なバラードの曲ですが、意固地に自分の考えに囚われ無謀なチャレンジばかり続ける男に、友人が、意固地になんかなってないで、出来もしない事ばかり言ってないで、そろそろ地に足を付けた方がイイよ?多分心が相当固くなってるし、周りも見えなくなっている、君は誰かに愛されるべきなんだよ、このままだと自分が傷つくばかりだし、もういい加減目を覚まして、もうそろそろ現実に戻った方がいいよ!、と心から友の行く末を心配して忠告をする友人の心の叫びの曲です。
“DESPERADO”とは、直訳すると、どうも“ならず者”と言う意味のようですが、愛情がある前提での“この大馬鹿者が!”とか、“この偏屈者が!”とかそんな感じでしょうかね、愛情たっぷりの友人へのアドバイスの一曲で、何とも切なくて何か悲しい感じのする曲ですね。でもとっても素晴らしい名曲だと思います。お勧め致します。
湖畔人