チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

伝統を受け継ぐ

2009年02月03日 09時51分37秒 | 日記
日曜日に国立能楽堂で能を加奈子と観賞
かなり前
チャコちゃん先生は金剛永観お家元に
謡と舞を教わっていたが
声を「もっと下で」
といわれ続け
ついにオペラの方に鞍替えをしてしまった

この日永観さんは其の頃小学生だった令息と「乱」を舞った
後がしっかり育った
この「乱」はめでたく猩猩が酒を振舞ってくれるのだが
いろんな舞の形があり
二人の息がそろわないと美しくないので
親子競演はリズム感があって楽しかった

この「乱」は金剛流では40年ぶりという
40年前先代の家元と永観氏が舞ったということ

きちんと伝統を守っている
多分小さいときから次期お家元として育てられ
それに応じて勉強をしてきたのだと思う

古典芸能は総じて伝統の継承がうまく行っている
次を育てる育て方も
それも一つの形となって継承される

私達は其の継承をお手伝いするため
お稽古をしたり
観賞をするということだろうか
資産のある方は寄付をすることもあるだろう

自分自身の立場のなかでやれることをやりながら
伝統を継承していかなければ霧散してしまう
継承に参加しているという意識があると
舞台の見方も変ってくる

今加奈子さんは謡と舞を始めている

歌舞伎や他の芝居では気持ちよくhunewokogu彼女
勉強という緊張感からかしっかり頭が安定していた
これも伝統継承している図でもある

伝統は何も古典芸能に限らない
それぞれの家の味、家のしつらえ、家の考え方、家の装い、掃除の手順
みんなきちんと伝承することで
個性が生まれる

国民全員が同じでなくて良い
一人ひとりの継承こそが文化だと思う
コメント
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