チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

男のきものⅣ

2010年05月20日 16時06分15秒 | 日記
昨年の今頃世話になった師匠の弟君
「浴衣着たいんだけどどれくらいかかる?」
「アオヤマの洋服の三倍かな」
「ヤハリ良い値段ですね」
「しかしもて方は十倍以上だわ」
「夏のボーナス使います」
エラク気合が入っている

聞くと
スポーツクラブのメンバーと合宿をかねて
箱根二泊三日の旅に出るという
そのときに浴衣を着たいーーと

「わけありね」
「ええまあ落としたい女の子が居るんですよ」
「ほー浴衣で迫るわけ?」
「いけませんか?」
「いいえいいえ結構ざますよ」

群青色の地に団十郎格子の白上げ
帯は団十郎茶の微塵縞
下駄の鼻緒は群青色

「衿は立ててきるのよ」
特訓三時間
長身でがっちりしているが撫肩なので粋に見える

「これで成功しなかったらウドの大木だよ君は」
チャコちゃん先生に肩を叩かれると
「まかして!」

「ところで君下着は」
「素肌に着ろといいませんでしたか?」
「すっぽんっぽんかね」
「いいえトランクスだけは」
「ああーおやめ、ふんどし(アーラ恥ずかしい言葉)にしなさい」
「どこで売ってるんですか?」
「母上に縫っておもらい」

「えーーチャコ姉さん縫ってくださいよ」
「何で私が?デパートで売ってるから、正絹になさいよ」

このような下着はチョット不安定だから
何かに付けて仕種が精悍な色っぽさとなる
こういう男の色っぽさが分かる女は良いよきっと

そのとき「釣った?」彼女とめでたく結婚
今年は一緒に浴衣を着て箱根にいくのだと
浴衣選びにやってきた

美男美女の良いカップル
彼女には明るい青地に真っ白の百合の花が気高くたっている柄
帯は助六紫の博多無地

団十郎好みにしちゃった!
コメント
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