チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

虫がつく

2011年08月18日 11時28分24秒 | 日記
友人のお宅に伺ったら
娘達がキャきゃあ騒いでいる
「何事?」
「だってお母さんの下着に虫がついていたの」
「いやーだ」
「これこれ」
と虫を怖がらない長女はチャコちゃん先生の目の前に
ニュっとさしだす

「あこれきれいな蝶々になるのよ」
一週間くらい前
わが秋櫻舎でも虫に目ざといタナカガ見つけ
ヨシダともどもワーワー騒いで
虫好きのセキドがつまんで流した

その後も同じような金色と黒交じりのの虫が出てきて
今度はセキドは流さず遠くに置いた

其れがなんとすっかり姿を変え
美しい金色の蝶になって優雅に花から花を飛び回っている

「きれいねえ、この前の流さなければよかったわね」
虫のときにあれだけ毛嫌いされたのに
今はみんなの愛の視線を感じて
あちらにひらりこちらにひらり

金の地色に黒の縞模様が高貴な感じ

「可愛そうに葉っぱのあるところにもっていくといいわ」
近い将来きっと美しい蝶になるから
と其れを聞くと娘達は期待の眼になる

外に洗濯物を干していて
「何を好き好んで母のパンツに来たのかしら」
「絹だったからじゃあないの?」
「ええーそんなことあり?」
「ありますよ絹も蚕という昆虫が吐いた糸ですからね」
「へー仲間と思ったのかあ」
「何だか深いですねーー」

「もう虫もつかない年なのに嬉しいわ虫がついて」
と喜ぶバカ母

今日も金色の蝶はわがベランダに咲いた山百合の花芯に止まっている
白い山百合に金色の蝶々はまことに見応えがある

人の目を意識した蝶は
羽根の動かし方にも工夫を凝らし
色んな角度から羽根の模様が見えるように振舞っている

あの虫からこんなにも綺麗に変貌できるのだ
人間だって絶対に変る事ができると確信するチャコちゃん先生ではある
コメント
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