チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

私流「風姿花伝」

2011年12月14日 10時56分02秒 | 日記
昭和57年ー1982年今から29年前
チャコちゃん先生は婦人生活社から
「知的な女性はきもの好き」
という本を出版している二冊目の本であった

ずいぶん気取ったネーミングだが
そのころ「きものを着る」ということは
なんとなく古い女の見本のような風潮があった
さらに「着物はこの世から消えていっても良い」
みたいな考えの人も多く

洋服からきものに入ったチャコちゃん先生としては
きものが内蔵している日本の文化に目覚め始めていたので
「それはならじ」
と世の風評被害に立ち向かおうと
肩肘張っていたのよね
365日きもので過してみて
いろんなことが見えてきて
「知的なーーーーー」という題名

さてその中で恐れ多くも「風姿花伝」をきものにあわせたページがある
まだこの時代は大人の婦人の多くも
また殿方たちも気軽にきものを着ていた
そのとききものの着方は年代によってこんなにも違うのか
と驚いたものである

洋服は決まった形の中に自分の体を入れるので
形を選んだ時点で年代が決まる

きものは形が同じなので柄や色の違いはあっても
着方によって年代が大きく変わってくる
コレがとても興味深かった

わが母などは帯の前がよれよれ
「もっときちんと帯板入れて着なさいよ」
「わたしの歳だと帯板は邪魔なの」と70歳でそういう

その当時まだ50歳前の長姉も襟がぐずぐず
「衿芯入れてピシットしたら?」
「12時間以上着ているとね衿が柔らかい方が楽なの」
茶道を教えていてずっと座っているのだからそうなのかーー

その頃お仕舞いを習っていたチャコちゃん先生
「風姿花伝」はお稽古事だけではなく
その年代の生き方考え方行動
そしてきものの着方にも当てはまるなあと
夢中で風姿花伝を読んだ

そして
この「知的な女はきもの好き」の中で
20代の肌はゴム毬のようすべすべとしてピンと張っている
アゴの線は鋭角的で引き締まっている
こういうとき襟は抜きすぎないほうが調和が取れる
若さを包み込むという着方が美しい

お尻もツンと上を向いているので
帯位置は高い方がいい
そうすると足が長く見えるので大胆ながらのきものが合う

若いことを認識しながら
柔らかな色に身を包んだほうが可愛い

続く
コメント
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