財布を忘れた

国立近代美術館で「ルノアール展」を見ようと六本木駅を出て歩き始めたら
招待券を忘れたのを思い出した
「ああーー」
別にたいしたお金でないしチケット買った方が主催者側はいいよね
と思い返し進んでいたら後ろから肩を叩かれ
4年ぶりの友人と会う

「あらー」
「ランチする時間ある？」
「済ましてきたからお茶なら」
と近くの喫茶店に入りさんざんお話をした後お会計
なんと財布を忘れている
「いいわよ私が誘ったんだから」
とご馳走になる

つまりドコニもいけないパスモ使って帰るしかない
無駄なお金を使わないだけいいか

櫻が咲いていて公園を抜け櫻の花に見とれる
そうだ熊野神社にお参りをしよう
小銭がかろうじて50円しかない

お賽銭も上げられない
「ゴメンナサイ今日はお金これしか持っていません」
と挨拶して帰る

親のところで生活をしているときは財布を持ったことがない
何処で買い物をしても「つけ」で購入できた
その代わりなにを買ったかがすぐわかり
怪しい出費に関しては厳しい親の詰問があった

親に黙認される買い物は本とか文房具だ
買い食いなどとんでもない
買い食いをしたいときは姉の夫の会社に行って小遣いをせしめていた
親の目を盗んだつもりでいても
こういうことも親は見通しだったらしい

財布を忘れた今日久し振りに昔を思い出したチャコちゃん先生