チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

櫻に主役を譲ろう

2014年03月28日 09時45分58秒 | 日記
櫻の柄はいつまで着られるのかと言うことを聞く人が多い
櫻の開花宣言がでたら
ひとまず櫻のきものはやすんでいただこうよ
と言うのがチャコちゃん先生の回答

6日の菖蒲 10日の菊ではないけど
旬を外すのは粋でないように思う

といっても櫻のきものは着たい
そういうとき
満開の櫻の柄は避ける
花びらが散っている風情とか
花びらが流水に流れている景色とか
日本の職人さんはあらゆる風景をきものに取り入れるテンサイだ

一珍染め櫻のきものがある
銀鼠の地に一珍染めで櫻の木と花を表現していて
わずかにチラホラと薄紅色の櫻の花びらを飛ばしている
さくらさくらしていなくて
櫻が満開の時もチャコちゃん先生はこのきものに手を通している

櫻の脇役に徹しているつもり

こう言う表現の出来るきものというものの存在を
改めて貴いなあと思いながら今日も手を通している

そうそう帯は櫻を迎える青空のようなコバルトブルーの地に
金と銀の櫻の花びらを飛ばした

そういえば2月になくなった染色作家が
病に倒れた後車いすから見上げた櫻の花と空をやっとの思いで描き上げた
大胆ながらづけが売り物のこの女流作家
今までの作風と違って優しく可愛かった
コメント
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