チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

桑蚕

2015年08月03日 12時45分46秒 | 日記
本来は桑の葉に寄生する虫だったのが蚕
その糸があまりにも美しく
人々は憧れて桑蚕を捕り糸を作って布に仕上げた

しかし桑蚕は一回の交尾でおわり
蛾になった蚕は天高くどこかに飛んでいく
卵は桑の木と土が交ざりそうな所に生み付ける
500個くらい産みますが
他の昆虫や鳥に食べられ一体どれくらい残るかは神のみぞ知る

その桑蚕を家の中で飼育しようと始めたのが「養蚕」
ココで飼う蚕を「家蚕」と呼ぶ
この家蚕人間の思うとおりの一生を送ることになった

交尾は数回
沢山の卵(約800個)を産み
があっても飛べない蛾にして
いつも人間の傍にいるようになった

その代わり餌も豊富、安全な寝る場所もお与えられ
安心して糸を吐きその糸で人間は布を作る

蚕にとって良かったのか悪かったのか
人間にとっては今なお蚕は科学者の研究材料として重宝されている

いま「桑蚕」の見直しが続けられている
養蚕農家が減り
野生化した桑畑に
これまた野生の「桑蚕」が戻ってきたのだ
自然の営みに感謝
コメント
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