チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

寒の水

2018年01月24日 11時54分01秒 | 日記
小寒(1月6日前後)あたりの冷え冷えとした水を寒の水という
「寒の水を飲むと風邪を引かない」
と母はよく言っていた
それは井戸水や流れている小川の水

今は昔
寒の水というものが存在するのは限られた地方

その寒の水を利用して昔から飛鳥時代から
紫根(しこん)と紅花はは寒の水で染めることが当たり前だった

寒の中に含まれている成分が色を沈着させ独特の匂いも消す
この説明は長くなるのでまたの機会にさせて頂くが
つまりそういうことだ

しかも素手で染めることを良しとする

チャコちゃん先生はこういう寒の水で染める場に何度も立ち会っているが
太陽が昇る前の水が最も良いという結論を出した染人がいて
寒い早朝に一緒に立ち会ったことも数度

確かに色の艶が全く違う
そして出来上がったものは退色も変色もしない

ここまで手をかけた染めの技術は飛鳥時代に始まりそれぞれの時代で更に手を加えられた結果が今ある

今この世の中の現状とあまりにもかけ離れたこの手仕事
我が先祖の知恵としてどこまで守れるのだろうか

染織の現場煮立ち、激変する今のこの時代を考えたとき
未来が見えなくなってくる

なにをしたらいいのだろう?
コメント
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