チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

春袷

2018年02月16日 11時42分15秒 | 日記
春袷(はるあわせ)という言葉を知ったのはもう40年も昔
東京博物館で古い衣装を見ていたとき
表が麻裏がという着物に出会った

その頃の常識は
麻は夏の素材という認識だったのでとても不思議に思い
学芸員に質問したら奥から「あんちょこ」を引っ張り出し
「はるわせというらしいですよ」

形は打ち掛けになっていたので上流階級の婦人のもの
出所が明らかではないので「使っていた人」を限定することはできない

「へー春袷かいい言葉」と一人感心しきり
一緒に見ていた研究者は色が、柄が、仕立て方が、どんな糸を使っていたか
そういうことを熱心に診ている

そばでチャコちゃん先生一人
「分かった作ってみよう」とニタニタ

そして早速着物を制作
これが4月に着るのに実に都合が良い、心地よい

そしてさらに裏に麻表に羽二重という組み合わせも作ってみた
これだとさらに涼しく着られて5月、6月にも着ることができた

帯も表麻裏に絹という袋帯を作ってみた
麻は滑りが弱いので袋帯には向いていないことがわかったが
難しいことも練習と思って40年も楽しんでいる

コメント
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