- おきん東西近著「着物古今東西」春陽堂書店 できたぞ
大体チャ子ちゃん先生は自分の本の読み返しをほとんどしない、校正でシッカリと読まされているので、飽きちゃったというところが本音
しかし校閲の方の指摘はいつも鋭い、学ぶことだらけで頭が下がる
今回もそうだった
着物のことが段々遠のく現状の中、きちんと詳しく正確に伝えたいという気持ちが伝わってきて、こちらもいい加減な表現は避ける。そしてより丁寧な文章を心掛ける。執筆者は校正者によって育てられているといつも思う。少なくともチャ子ちゃん先生はそうだ
編集者は若い男性で、着物を着たこともなので、着物をしっかりと理解しようとよく研究をしてくださる。その指摘も鋭いものが在り、いい加減な性格のチャ子ちゃん先生は、しっかり理解していただこうとさらに勉強をする。こうして作り上げた本は、作る過程で「満腹」になっていく。だからぱらぱらとめくり終わってしまうのだ
そして気持ちはもう次に向かう
書いたことで次なるテーマが下りてくる
今回はあえて「名古屋」を中心の東海地方を外している。それはある経験があり、東西の着物の違いという範疇におさまらない着物選びがこの地方にあるからだ
ある企業のお嬢様の着物の選別に行った
その選別の目的は美術館を作るので、美術的な着物や帯と日常的なものを分けるという作業だった。30年くらい前だったと思う
二つの衣裳蔵から次々着物が出てくる。「着物のことはわからないからチャ子お願いね」と高名なデザイナー(その企業のロゴや商品デザイナーであり、企業の未来の助言者という立場の方)その彼がもっぱら着物や帯を運んで来て、私の前にどさっとおく、見ただけでまず荒選りして、美術品として選んだものは一枚一枚丁寧に見る。広げた着物をたたむのはデパートの番頭さんの役目、二泊三日で終わらせた
そのあと岐阜の婚礼衣装の数々の整理を依頼された。そのときも衣裳蔵があった。着物をお道具としてそろえる習わしが東海地方にあり、その選び方にも独特な目があった
着物には底知れぬ文化が潜んでいる