チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

珈琲は生鮮食品だって

2022年04月21日 08時50分31秒 | 日記
珈琲の生豆を購入し、炒って摺って静かに湯を落とし、朝日浴びながらゆっくり珈琲を啜っている至福の時間
珈琲をさほど好きとも思えなかった
人形町にある「かうひいや」の珈琲が最も口に合っていて、自分の中では15時過ぎてから飲んではいけない、眠れなくなると決めつけていた

珈琲を嗜んだのは次姉のデートに付き合わされた中学生の時で、画廊のある喫茶店の店主がゴリゴリ珈琲の豆を挽き、静かに静かに湯を注いでもったいぶって、コーヒーカップを姉たちのテーブルに運び、私にはさらに薄めたコーヒーを持ってきた

それでも一口飲んで
「うえー苦い」
と口に出し、それ以来私には紅茶がでた。紅茶は家でも飲んでいたのでなじみがあり、これにクッキーでもついていれば万々歳だと思っていたが、口には出さなかった

というわけで珈琲は苦手と思い込んでいた

30代の初め初めてローマに行ったとき、食事の後に「カプチーノ」が出て「なんとおいしい」と思った
それで日本に戻ってカプチーノを注文するとこれまた苦い、ぺっ!と吐き出したくなって、珈琲はご勘弁となった

ある時友人宅に招かれた、その家の息子が
「比佐子さんのために究極の珈琲を入れるからね」
ああどうしよう、と内心うろうろ、でもー--

卓上コンロを持ち出し、コーヒー豆を炒り始めた
「いい香りね」
「炒った豆は3日以内に摺って、摺り上げた粉は30分以内に飲むのが一番おいしいの、珈琲は生鮮食品だからね、待ってね」
「ふー-ん生鮮食品なの?」
「そうだよ、そしてさらにね前頭葉を刺激するから、比佐子さん認知症になりにくくなるんだよ」
「あらそう!」

出来上がった珈琲をロイヤルコペンハーゲンのコーヒーカップに静かに注いでくれた
「うワッおいしい、本当においしいありがとう」
というわけで
一式そろえて毎朝至福の時間を過ごしているわけ

ちょっとした手間でこんなにうれしい時間が作れる


コメント
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