今の世界は複雑
何が悪で何が善なのか
悪も善も人の決めたルールに従うのではなく、自分の直感で決めることが一番だと思う
悪がなければ善はわからないし、善が光るのは悪のおかげ
先日「チャコちゅうぶ」で戦前戦中の女たちの衣服の話をしていた時、気が付いたことが在る
今の日本人もその頃の人と一緒で
「与えられた任務に忠実」
そして
「与えられた権限を振りかざす」
「ほんとうにこんなことをしていいのだろうか?」
「こんな命令を遂行して善き方向に向かうのだろうか?」
など何も考えない
上から言われたことを真面目に実行していて何がおかしい、何が悪い
という絶対の自信がある。上から選ばれた自分は偉いんだと傲慢になる
愛国婦人会の婦人が街角に立って、若いお嬢さんの着物の袖を鋏でチョキチョキと切る「戦地で戦っている兵隊さんを思うとそんな派手な格好は無礼だ!」
男女が肩を並べて歩いていると「戦地の兵隊さんに失礼だ」と二人を離す
バケツリレーでもたもたした動作をみて、班長を任命された男が「もっと敏捷に動け、戦地の兵隊さんは戦っているんだ!」と言って怒鳴りつける
戦争が始まるまでは町内会で仲良くしていた人たちが、ひとたび上からの権限をもらうとがらりと人が変わる
戦争が終わり権限がなくなると逆に今度は卑屈になって、人のご機嫌を取る
自分の軸を持っていないとこうなるのだろうなあ
常に強いものの言いなりになるという日本人の癖は明治時代からのように思う
そして今もそう
誰に命令されるのではなく、権限にしがみつくのではなく、自分自身の素質で生きて行くことがこれからの世界の生き方だと感じる
灯台のように自分から光を出して正しい方向を示すことが出来たら本望