歩いていたときいきなり雨が降ってきた
あろうことかチャ子ちゃん先生縮緬の着物を着ている
ぱっと脱ぎたいところだ
絶対に縮む
だって縮緬は糸に水をかけながら、糸に撚りをしていくので
水が来ると糸は「自分の仕事をしなければ」と縮む
困ったもんだ
で
かなり強い雨に濡れて歩く
せめて裾を挙げてと、帯締めに裾を挟み込む
こんな時恥ずかしいと思っても仕方がない、誰も濡れた始末はしてくれないのだから
タクシーも来ない
道行く人も傘をさしていても「どうぞ」なんて優しい人はいない
趣味で濡れてると思っているのかしらん
ああ
通り雨ではないと思うので、とにかく足早に歩くしかない
家につき乾いた布で水気を取り
いつもの「洗い張りや」さんにでんわ
「縮緬の着物濡らしちゃった」
「伸ばすの大変だよ」
「明日持っていくね」
「水気が取れたらしっかり伸ばして畳み、寝押ししておくといい」
「はいありがとう」
きものさんごめんなさい陽
だからと言ってガード加工しようとは思わない(結構頑固だね)だって糸の呼吸を止めてしまうんだもの
出かけるとき「かさ?」とひらめいたが、陽が差していたのでやめたことが悔やまれる(こういう時母だったら追っかけてきて傘持たすだろうなあ)
内なることばに従順でいようという反省