チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 518

2023年05月15日 08時43分58秒 | 日記

きものの原材料を生むところに足を運んでいる。着物に携わった年数をよくよく数えてみると58年になる

深みにはまったというか、きものが連れていく場所が人の暮らしに必要なすべてを見せてくれるのでそれが面白い

チャ子ちゃん先生にとってそれは仕事というより「道」を指し占められているという感覚だ。遊びに似たものでもある

そうたぶん遊び

遊んで楽しんでいるのだからお金をもらうのは申し訳ないという思いもあって、なかなか稼げないでもいる

これは三次元で暮らすには欠ってん

 

今回もまた新たに、また何十年らいのつき合いの方たちのところへ足を運ぶ

新しいところでは新しい発見があり、なじんだところではその方の生長によってまた違った側面を教えていただくことが多い

いづれにしても現場での気づきや悟りが多いということ

 

人は良く「死ぬまで現役」というが、私は「死ぬまで現場」と思っている

現場に行くと自分が謙虚でいられる。謙虚でいると世界がよく見える、動乱に巻き込まれない軸も生まれる。だから現場が好き

 

あるところで

霞が関のエリート官僚の座を捨てて土にまみれた生活を始めた方に出会った

180度の転換であろう

土とともに暮らしているうち、着物の染料と出会い、植物が出す色の豊富さに魅入られてしまった

更に古老の人たちの植物に対する深い知恵を教わると、人の暮らしがとても豊かになることがわかってくる

霞が関での「机上」の知識がどれだけ現場とかけ離れていたかを知る

その違いに違和感を覚えて暮らしを変えた自分自身が好き

 

きものが連れていく道の多様さとどこまでも続く道のりが楽しみ

きものって日本人の知恵のすべてを含んでいるのだと、つくづく感じた取材旅行

 


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