22歳で出版社に勤め始め、はじめは先輩のお尻にくっついて見習い
フアッションデスクだったので撮影に出かけたり、モデルが着る洋服をデザイナーのところに行くという下働きを経て、撮影時は洋服のアイロンをかけたり、ロケハンにお供したり、一応の仕事の流れを覚えてページを持った
丁度プロのメークアーテイストの登場で、モデルさんたちはすっぴんで現れてメークをしてもらう。着る洋服に合わせ、ヘアーやメイクをしていく
28歳まで口紅一つ付けたことがなかったのでメイクというのはプロの女性がするものだと思っていた、だからメイクやヘアーには余り関心がなく、もっぱら「この洋服のバックはあの道路が似合いそう」とかその洋服の際立つバックの方に興味を持った。つまり洋服のTPOだ
だからロケハン大好きで、新人のペーペーの癖に先輩に「その洋服は赤レンガの前の方が際立いますよ」とか生意気いってあろうことか有名カメラマンにまで「この角度がいいですよね」と進言する始末
「今度オタク変わった新人がいるんだってね」と先輩に他のカメラマンが聞いてくるようになり「ちょっとわきまえなさい」とお小言を言われたが、やはりモデルに立ち位置決めたりしてロケが楽しくて仕方なかった
更にカメラの前に立ったモデルを見て「洋服の色と口紅の色があってない」など偉そうに言っている
どういうわけか叱られることもなく、ネガ選びまで口出しして、わいわい日が過ぎていき、ついに自分のページが持てたときの興奮は今でも胸に熱いものが来る
教わった仕事の内容と全く違う企画を出した、それは「使用前使用後」ある時新聞に胃腸薬の広告が出ていて、その薬を飲んだら痩せた男がふくよかになった。という写真だった
すっぴんで来たモデルが見違えるように美しく個性的になっていく「メイクアップ」という手法を、素人の女性にしてみたいと思った。メイクの先生は当時大御所の「大関早苗」先生(生涯お付き合いさせていただいた)読者募集をして結果は大好評、顔や髪形が美しくなったら着るものもその人に合わせましょう。ということで大内順子さん(こちらとも生涯御付き合をした)にスタイリストをお願いし、洋服靴ハンドバックを選んで、素敵なレデイ―を量産。大人気で一年続いた。お陰でおしゃれの基礎を教育していただいたと感謝している
プロはその人の長所を引っ張り出す能力にたけている
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