チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

襟付け

2022年12月30日 08時33分01秒 | 日記

着物は左右均等にできているので「襟合わせ」は最も重要な行為だと思う

やくざ映画全盛のころ、「高倉健」の着物の襟合わせと「裾さばき」の粋さに目を奪われ、すぐ取材に赴いた

そしてそのコツは

きちんときれいに着終わった後、衿は人差し指を入れて合わせ目を下す、裾の開きは普通の着物の寸法より狭くしているが、それでもきちんと着終わった後に手を裾に当てて広げる。そうすると腰から下、が広がりやすくなるけど、ひざから上はきちんとしている

 

成程

またある時文学座の公演を見に行ったとき、杉村春子さんが鏡のない舞台で、実に手早く着物を着ながらセリフを言う場面があり、鏡もないのに左右の襟合わせがきちんとしていて、それでいてゆったり感がある

そしてすぐこれも楽屋にお邪魔してそのコツをお聞きした

その時「鎖骨に添って襟をあわせる」ということをお聞きしたが、其れより目を奪われたのが「長襦袢の襟の付け方」

この襟の付け方も杉村さんご自分の発案らしく、役によって襟芯や半襟の種類長さなどを替えていらした。その後東と西の芸者さん、また旅館の女将さんたち、更には日本舞踊仕舞い、神官、僧侶、能役者などなど取材に明け暮れて調べてみた

 

そしてその中から分自身のいいとこどりの衿付けを創作、比佐子流衿付けを伝えている

チャ子ちゃん先生の衿付けにはこのように背景があるのだが、それをきちんと御説明をしないので、教わった方々にはあまりありがたさが分からないようで、受けがよくない

それでも自分自身は満足している

昨日は掃除や片付けの合間に5枚ほどの衿付けをして新年に備えた

 

 

 

 

 

 


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