最近の呉服屋さんは「着物レンタル業」になっている店が多いようだ
振り袖、留めそで、訪問着などはレンタルに切り替えた人が多い
とくに振り袖は、成人式より早く「前撮り」ということが流行で、店の中にスタジオを持っている店もある。カメラマンに撮影を依頼しても、着物姿を美しくとれるようになるまで時間がかかる。着物の撮影は結構むつかしい。体は動かさず、顔の表情だけを追うがその時着物の中の体はしなやかに動いていなければならない。その動きを指導できるカメラマンは着物の構図や、着物を着たときにどこを見せるかなどの着物の知識がないといい写真は撮れない
それで結局着物に詳しく、客とも会話の通じる店主がカメラマンになって写真を撮っている店もある
しかしヘアーメイク、着付け師を常時抱えていることも大変なので、そういう仕事のできる人をパートで確保するということもしている。レンタル料の中にそれらの費用も組み込まれていて、結局購入したほうが割安ではないかな?と思ったりもする
レンタルに傾く傾向は、着物が高額であるという理由は薄く、着物の扱いがめんどくさい、まずは着物のたたみ方や、保管方法が分からない、つまりは着物に無知、其れと着物を着る機会が今の生活には少ない、「無いない尽くしの着物世界」なのだ。それでも着物を着るという異世界の自分自身の姿を、自分も親も望んでいるというのが現状
レンタルを決めたら、その一式を呉服屋に預けたままという家族も多いそうだ、その為呉服屋は預かった着物を置くために、部屋を確保しなければならない。場合によってはワンルームマンションを契約する店もある
一方では着物のことを勉強したいという人も山といる。出来たら毎日着物を着ていたい。という人も多い
着物を取り巻く世界が大きく変わってきている
「物を愛でる」という時代から「必要な時に必要なものを借りる」それは「物を扱う」という感覚、だから自分の物にしていく必要がない
一方で着物は三代にわたって着られるので、いいものを購入し代々残していきましょう。それがに日本人の手仕事を次の世代に繋ぐことにもなると考えている店もある
着物に憧憬を持ちながら、「着物」を家庭の中で繋いでこなかった日本人の生活模様が、いま「きもの難民」を生んでいるのだと思う
着物を作り上げる多くの技術が、日本に精密機械を作る技術を生み出させたことを私達は知る必要がある
桑の育て方で農業、蚕の育て方で遺伝子工学、染の技術で化学、織の技術で機械製造、着装技術で骨や筋肉の在り方、まだまだある。
きものは「日本文化の宝庫」
レンタルでも着物を着ることで、「宝庫」に気づく若い人が出てくるといい
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