初夏と秋に柿の葉寿司を送ってくださる友人がいる
初夏の柿の葉は「照葉」と呼ばれるほど緑の色が美しい
秋は色づいた柿の葉に包まれた寿司だ。これもまたいろんな色に出会える
送っていただくお店は奈良で500年続いた店だ
柿の葉には殺菌力があり食べ物をくるんで長持ちさせる知恵はどうも古代からあったようだ
竹の皮、棒葉の葉、枇杷の葉、他にもたくさんあるだろう
冷蔵庫や氷室もない頃、人々は食べ物の保存を自然の殺菌力に頼んだのだ
大昔に読んだ王家の跡取り合戦に敗れた小説、敗れた王子の都落ちの描写で、柿の葉に包まれた干飯を食べながら涙を落とす場面があったが、奈良の広い景色を山の上から都を眺めるというイメージを持って読んだ
そこにあるものの助けを借りた食生活って本当の循環だ
こういう知恵を掘り起こして今に伝えようという方が増えてきているのは嬉しい
それがレジタルの貢献だ
YouTubeを開くと、先人たちの知恵が若い人の手によってよみがえっている
卵の白身で髪を洗い
塩で歯を磨き
糠袋を作って顔を洗い、それを乾かして廊下や柱を磨く
夏になると糸瓜を植えてへちま水を作り化粧品に
イワシや小さな魚の骨は炭火で焼いてぽりぽりおやつ替わり
鯛などの硬い骨の魚も食べ終わったあとお湯をいれておつゆ仕立て
最後に余った食べかすは小さく刻み、糠と混ぜて土の中に入れてそれがいつか肥やしになる
こういう習慣が一気になくなったのは「農薬、化学肥料」さんたちの登場
私達は化学物質に囲まれた生活になって、病が増えたしなぜか忙しくなった
柿の葉寿司を口にしながら来し方を思い出している
葉っぱは湯船に浮かべ楽しんだ
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